私はパソコンに音楽を大量に入れて聴いているのだが、その際に「random」で再生している。
 このランダムという言葉、辞書で引くと「手当たり次第」とか「でたらめ」「無作為」などという風に載っている。RAMということ場はランダム・アクセスメモリーのことだが、このランダムアクセスは任意抽出という風に載っている、
 任意だったり、無作為だったり、要はてきとーに選ぶということで、つまりはどんな順番で演奏されても文句を言う筋合いはないということではある。
 ところがこのランダム、くせ者で、現在曲が18000余りあるのだが(尤も、クラシックなど細切れになっているものも含めてだが)、いつぞや書いた確率の話を地でいくように面白い。
 容量が現在80GB程度で、1MB1分と考えると、全曲を流した場合、1300時間あまりかかる計算で、毎日24時間かけても、全曲聴くためには、50日以上かかる計算だ。
 つまり、かけっぱなしにした場合、2ヶ月に1回しか同じ曲には出会わないということになる。
 もちろん、延々とかけっぱなしなどと言うことはないわけで、実際には毎日何回かリセットされる。
 さてそこで面白いのは、何度も聴く曲というのが意外に多いということである。逆に言えば、1回も聴かない曲が非常に大量に存在するということでもある。
 これこそが言ってみればランダムの本質なのだと思うが、感性的には非常に納得しにくい。
 確率論的な理屈でこのランダムプレイの可能性を考えることと、実体験での感覚はだいぶ違うと言うことだ。
 さて、最近、ポータブルのMP3プレイヤーを購入して、やはりランダムで聴いているが、こちらは非常に面白い。というか不満だ。変な言い方だが、特定のランダムという順番があるのだ。
 実際の順番とは関係なく、ランダム再生が同じ順番でかかったりするのだ。これはそもそも、ランダムな順番を決めるためのルールがあるからではないだろうか?
 そこで不思議に思うのが、「ランダム」を決める仕組みだ。コンピュータが、どういう風にして乱数を発生させているのか、たぶん秒などの時間を基準にしているのではないかなと思うが、どうなのだろう?
 いずれにしても、ランダムというからには、無作為な抽出が、同じ結果を生む確率など、非常に低いわけで、しかも1万件程度の中から無作為に抽出して、同じ順番に並ぶなんて、5個のさいころを振って、出た目の組み合わせが、同じ順番で出るようなものではないか。これはランダムではなく、「ルール」だというような気になる。
 ところで、ランダムハウスという辞書がある。アメリカの出版社が出している辞書だが、アトランダムに出版をするためにランダム・ハウスという名前をつけたらしい。
 このランダムという規則性のなさが、何となく好きだ。この世のことが何でも決まっていたら面白くない。
 いい意味で、先の解らない人生が楽しい。あくまでいい意味で。
 

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