王様の宮殿
由比敬介による好きな音楽限定のブログ。

 ミュージカルというのは舞台や映画で歌を中心として物語が構成されているような作品群のことだが、アメリカで生まれたこの芸術は、私の認識では、 リートとポピュラーミュージックの関係をオペラに置き換えたものかな、というような気がしている。もっと単純に言えば、発声の違いかな。
この発声の違いをもっと砕くと、素人でも歌いやすいといえばいいかも知れない。当然他にも違いはあるが、「ポーギーとベス」のように、オペラでもあり ミュージカルでも通用するような曲もあるので、境界線は非常に曖昧だという気がする。宝塚歌劇団は「歌劇団」だが、演じるのは恐らくミュージカルで、女声 でも地声で歌っている。オペラの女性歌手の多くは、いわゆる地声では歌っていないので、その点は大きな違いだろう。メゾソプラノだって宝塚の男役のような 声は出さない。
私はオペラの中で何が一番好きだという程聴いたことがないので、何だろうな?と思うが、これまでの人生の中で最も多く聴いているのは多分ワーグナーの 「ラインの黄金」だろう。何度かリングを聴き通すぞという気持ちでトライして途中で挫折するから、一番多く聴くことになる。後は、レオンカヴァッロの「道 化師」マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」、マスネ「シンデレラ」、ビゼー「カルメン」、等は複数回聴いている。あ、「バラの騎士」もかな。 モーツァルトやヴェルディ、プッチーニがないのがすごいな。部分的にはいろいろ聴いているが、通して聴いたことがない。尤も、交響曲であろうと、組曲であ ろうと、部分的に聴いて満足するのは私の特技なので、オペラも同じことだ。ストーリーを追うような聴き方が苦手なのだ。時間がかかるし。・・・・「椿姫」 は何回か聴いたかな。ヴェルディ、あったな。
ミュージカルは、ハリウッドの往年の映画の中で何回も観ている物もあるが、一番好きなのは「ジーザス・クライスト・スーパースター」だ。舞台では見たこ とが無く、映画とレコードだけだが。大好きだ。実は私はミュージカルの舞台というのを観たことがない。「レ・ミゼラブル」など観たいと思うが、何しろ小説 の中でも私にとってはとりわけ愛着のある作品で、しかも希代のエンターテインメント小説という見方をしているので、どう考えても不満がぼろぼろ出てきそう だ。むしろそういう思い入れのない作品を観た方がいいかもしれない。
さて、「ポーギーとベス」ではなくとも、オペラとミュージカルは、似たような世界だと思う。ゼッフィレッリなど、オペラを映画化している人もいる が、オペラと映画の境界線以上にオペラとミュージカルの境界線は大してないように思える。ミュージカルでオペラを取り上げないのはそこにはテクニック的な 問題があることは想像が付くが、なぜクラシック業界はミュージカル作品を上演しないのだろう?
かつてロックとオペラの融合なんていうのがあった。確かザ・フーの「トミー」などはロック・オペラなんて言われていはしなかったか?エルトン・ジョンの 「ピンボールの魔術師」なんてただのポップスだが、いい曲だ。映画としても結構面白かった。もちろん、ミュージカルはクラシックよりもポップスよりなの で、ミュージカルをロックにする方が簡単ではある。「ジーザス・クライスト・スーパースター」なんて、まさにロック・ミュージカルだし。
だが、同じ曲をクラシックの発声を勉強した人たちが、そのテクニックで演奏したらどうなるのだろうか?と思う。私は観たことがないが、「ファントム・オブ・ジ・オペラ」なんて、タイトルがまさに「オペラ」だ。
「マイ・フェア・レディ」や、「雨に唄えば」なんて、楽しいオペラ作品になりそうな気がするが。