オペラというのは音楽が付いた劇だ。ワーグナーやR.シュトラウスの曲に使われる「楽劇」という呼称も、所詮は音楽劇だし、アリアやレチタティー ボが無くなったとしても、歌で構成される劇には違いがない。明確な序曲がなくても前奏曲や間奏曲は現実にあるし、それが使われる目的が多少違ったところ で、聴く側にはそれほど問題はない。
むしろミュージカルは、歌曲とポップスぐらいの差があるので、同じ音楽劇だとしても、大分違って感じる。
クラシックの歌手は、昔学校で習った記憶では、ソプラノ、アルト、テノール、バスだが、クラシックを自分で聴くようになり、それがマーラーを入り 口としたおかげで声楽に比較的簡単に馴染むことができた時には、バリトンとメゾソプラノが増えた。今までアルトだと思っていたのに、コントラルトなんて言 う呼び方が増えたり、まあ、これでは小中学生時代に声楽を好きになるのなんて到底難しいと思わざるを得ない。
オペラの多くは原語で演奏されるので、イタリア語か、ドイツ語かフランス語って言うのが相場だ。多少は英語や日本語もあるだろうが、概ねその3カ国語 だ。しかも圧倒的にイタリア語が多い。理由はオペラ作曲家の多くがイタリア人の上、モーツァルトまでほとんどがイタリア語と来れば、仕方あるまい。
オペラ作曲家としてやはり小学生くらいから知っていた作曲家といえば、モーツァルト、ヴェルディ、プッチーニ、ワグナーといったところだろうか。
私がオペラを聴けなかった理由の一つは、全体が音楽付きなので、当然面白くもないメロディーが中にはあるはずで、そのためではないかな、と思っていた。後は、子供の頃から3分前後の歌謡曲などになれてる耳は、1時間2時間という長丁場を耐えられないとか。
実際には、オペラはやはりオペラなので、舞台を見ることで最大限の効果を発揮するわけで、レコードやCDではどうしても片手落ちになる。
最初に好きになったオペラはレオンカヴァレロの「道化師」だった。川越の図書館で借りたのを覚えている。「衣装を着けろ」は今でも最も好きな曲の一つだ。しかもデル・モナコのやつが。
それとワグナーは「ニーベルングの指輪」の題材とその長さ故に最初から興味を持ち、当時3万円したショルティ版のレコードを購入した。CDでも買い直しているのでやはり好きなのだと思う。一番好きなのは「ラインの黄金」の最後の場面「虹の架け橋」といわれる部分だ。
オペラを見ようと思うと、どうしても普通のコンサートよりも高い。舞台なのでいい席で見たいし、2万円近くかかることになる。オーケストラコン サートとは大分違う。しかも著名な歌手や指揮者となると、ぽんと跳ね上がる。なんだかお金持ちの道楽趣味のようなイメージが払拭できないのは、こういうと ころにも問題がありそうだ。
オペラ座や、ウィーンの国立歌劇場や、いずれにしても正装をしていかないと(少なくともジーンズにシャツでは)入れないようなのがオペラだと思っていたし、たかだか音楽を聴くのにそんなことに気を遣うとしたら本末転倒だという気が、実はいまだにしている。
よくクラシックは、音も立てられないから堅苦しいというポップスファンの意見を聞くことがある。概ねマイクを通して、会場の音を圧倒するようなポップスやロックのコンサートは、スタンディングが基本みたいなところがあって、静かに聴ける雰囲気はないことが多い。
私はロックコンサートでも、周りのファンの喧噪なんて聴きたくはないので、静かに座って聴きたい人だ。それがハードロックでも。だって自宅で聴く時に騒 いで聴くやつなんていないだろう?あれはコンサートを聞きに行っているんではなく、騒ぎに行っているだけだ。常々そう思っている。立って観られたら前が見 えないとも。
そんな私にとっては、コンサートはむしろクラシックの方が好適で、なかんずくオペラは豪華な気分が味わえる。しかも気楽な格好で気楽に聴けたら、 これに勝る娯楽はない。もちろん、オーケストラコンサートも好きだし、リラックスするので必ず1回は寝る。寝られるコンサートは最も素晴らしいコンサート でもある。
そんなことを考えながら、実はパソコンでオペラも聴いている毎日。まあそれはそれで楽しいのだが、やはり年とともに、音楽の聴き方も変わったのかな?ふとそう思う今日この頃ではある。
テッド・ニュージェントはアメリカン・ハードロックの重鎮。60年代の終わりからアンボイ・デュークスというロックバンドを率いて、70年代の中頃からソロ、80年代だったか90年代だったかに、ダム・ヤンキースで一時期ギターを弾き、現在はまたソロに戻っている。
かつてはテッド・ナジェントなんて言う名前で紹介されていたらしい。私が最初に聴いたのは大学生の頃、池袋の輸入盤ショップで「Dog Eat Dog」を買うきっかけとなった、何かのラジオ番組だった。日本盤は野獣何とかというタイトルでEpicSonyから発売されていた。
とにかくハード・ギターの人で、長い間にも全く変わらないという感じがする。自分で歌も歌うがあまりうまくはない。「Dog Eat Dog」では、一部をミート・ローフが歌っていて、やけにそこだけ歌がうまかった。
日本でもいまだにCDがたまに発売されることもあり、全く人気がないわけでもないのだなと思うが、あっという間に市場から消えてしまう。
まあ、狩猟好きで、ハンターを守る会会長みたいな風情があるので、私生活はあまり知りたくはないが、まさにそんなイメージをステージにも持ち込んでいる感じがする。
私が最初に買ったアルバムはそれでもテッドのアルバムの中では叙情的な部類で、他はもう、何か抜けてるかのようにハードな音楽一辺倒といってもいい。私はどちらかというとその叙情的なテッドのギターが好きだが、ハードというかワイルドなテッドも実は魅力満載。
つい先頃「Craveman」というテッドらしいタイトルのアルバムも出している。間違いなく50代だと思うが、熱気は衰えない。何となく戦う男という感じ。
とにかくギターな人なので、引きまくってくれるとそれだけでうれしい。音色はまさにハード・ブギー!ライブが真骨頂!
気になった方は聴いてみて。
マーラーという人は、ご存じの方も多いともうが、作曲のほとんどを交響曲と歌曲に費やしている。交響曲は全部で11曲、内1曲は未完であり、1曲はナンバーが付いていない「大地の歌」である。
交響曲の父と言えばハイドンであるが、基本的に交響曲はソナタ形式の第1楽章を含む4楽章からなるオーケストラ曲を指す。ハイドン以降はモーツァルト、 ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー、ドヴォルザーク、チャイコフスキー、シベリウス、ショスタコーヴィチといった作曲家が有名である。もちろん、 ベルリオーズや、リストを始め、他にも非常に多くの作曲がが手がけているが、チャイコフスキー当たりまでは、いろいろあれども、交響曲は一定の形式の上に 作られていることが多い。
マーラーは、第1番こそ4楽章の交響曲を作ったが、2番で合唱と、声楽ソロのある5楽章の「復活」3番では6楽章、4番も声楽付き、5番7番が5楽章、 8番はほとんど全てが声楽に満たされたオラトリオのような大作、そして連作歌曲のような「大地の歌」を過ぎて、4楽章の9番がある。しかし9番は調整的に もかなり曖昧で、シェーンベルク達を予感させる。
唯一6番がかなり堅牢な交響曲らしい交響曲といえば言える。但し、全体の4割を第4楽章が占めていたり、モーツァルトやハイドンの交響区曲とは明らかに別のジャンルの音楽である。
主題もしっかりしているし、第1楽章で繰り返しもある。メロディラインは、マーラーらしく俗っぽさもぷんぷんするところもあるが、どちらかというと格調高い。「亡き子を偲ぶ歌」などの自身の歌曲集との関連も、他の作品位劣らず重要な位置を占めている。
この交響曲を最初に聴いたのは大学生の時だが、その行進曲のリズムで始まる第1楽章の冒頭で圧倒された。アルマ(奥さんの名前)のテーマと呼ばれる旋律は非常に美しく、一時期は第1楽章ばかり繰り返して聴いていた時期もある。
第2楽章のスケルツォはいかにもマーラーらしい諧謔性を感じさせる楽章だが、実は私はそれほど好きではない。
第3楽章は、あたかもこの交響曲の名前を象徴するかのような切なくも哀しい旋律を含む楽章で、ここはジョージ・セルの演奏がいまだに一番好きだ。
終楽章はおよそ30分かかるモーツァルトだったらそれだけで1曲の交響曲になる程長大である。この中にはハイドンの「驚愕」交響曲もかくやというような 仕組みが隠されており、その最大のものは、この交響曲が終わる直前に振り下ろされる最後のハンマーである。それは最後に人を打ちのめすハンマーなのだ。
今まで多くの「悲劇的」を聴いてきたが、学生時代に購入したジョン・バルビローリ指揮のフィルハーモニア管の演奏がベスト・ワンだ。かつて、ずい ぶん昔のことだが、この演奏はなかなか評論家によって評価されず、バーンスタインであったり、セルであったり、あるいはカラヤンであったり(古い演奏家ば かりだな!)、していた。バルビローリだって彼らと比較して十分じいさんだと思うのだが。
レヴァインが出、ラトルが出、マーラーがベートーベン以上にCDショップの棚をにぎわす今では、非常に多くの演奏が聴ける。
しかしその中にあってもバルビローリの演奏は際だっているし、しかもユニークだ。あのテンポ一つとっても、他とは絶対に違う曲だ。文字で表すのは難しい が、主題の繰り返しをしていなくても、している演奏よりも長時間かかっているといえばいいだろうか。行進曲は、足を引きずるような重々しいテーマで幕を開 ける。
全体を通じてどこか重く沈潜したイメージで曲は進む。カップリングにR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」を選んだ理由が分かるような、そんな演奏である。
終楽章が終わったときには、悲劇に打ちのめされた主人公は到底立ち上がる気力がないのが解る唯一の演奏のような気がする(尤も全ての演奏を聴いたわけではないし、最近での演奏は特に耳にしていないが)。
しかし素晴らしい感動を与えてくれる名演である。音は古めかしく、オーディオ的にはそれほどいいとは思えないが、それをカバーしてあまりある。バルビローリのマーラーは昔から、5番が名演とよく言われるが、6番を無視してそりゃないだろうと思う。
ところは最近何かで見たが、かなり評価が上がっているようだ。不思議なものだ。
レインボーというのはこの場合、私をハードロックの世界にのめり込むきっかけを作ったバンドの名前だ。レインボウではなくレインボーが、レコードメーカーの日本語表記だ。
75年のデビューで、84年に一回解散、95年にちょっとだけ再結成(名前だけか)という経歴です。
元々ディープ・パープルにいたリッチー・ブラックモアがディープ・パープルを脱退、ELFというアメリカのバンドに参加するような形で「Ritchie Blackmore’s Rainbow(邦題:銀嶺の覇者)」がファースト・アルバムです。セカンド・アルバムを出す時、ELFのヴォーカリスト、ロニー・ジェイムス・ディオを 除く残りのメンバーを解雇、今は亡きコージー・パウエルを含む3人を補充してセカンドアルバム「Rainbow Rising(邦題:虹を翔る覇者)」をリリースしたのが76年でした。私が17歳の時、このアルバムを聴いたのが全ての始まりでした。
特に「A Light In The Black」という、LP B面の2曲目に収められていた曲が大好きでよく聴いていました。いかにもリッチーらしいリフと激しいコージーのドラム、そしてのびのあるロニーのヴォーカ ルが渾然一体となった、ハードロックはこれでいいんだぜ!と言わんばかりの8分を超える名曲です。この曲がなければ、その後の私のハードロックを皮切りと した洋楽への傾倒も、あるいはクラシックへの指向も無かったかも知れません。
作家の栗本薫はRun With The Wolf」なんて言う作品を初期の頃に書いてますが、このアルバムの中の一曲です。
なかなか発売されなかったライブ、そして「Long Live Rock’n’roll(邦題:バビロンの城門<アーチ>)」までが、私がこの世で最も好きな二人のヴォーカリストのうちの一人、ロニーが参加したアルバムです。ここまではLPも見開きジャケットでした。
ロニーが辞めて変わりにグラハム・ボネットが参加し一緒にパープル時代の盟友ロジャー・グローヴァーが加わった「Down To Earth」からは、曲もちょっとポップ指向になり、1曲の時間も短くなってきました。このアルバムにはホルストの「惑星」から、火星の一部をモチーフに した「Eyes Of The World」という曲があるのですが、2年ほど前に、着メロでこの曲を見つけた時にはびっくりしました。「All Night Long」や「Since You’ve Been Gone」なら解りますがね。
グラハムは1枚で抜けて、次の「Dificult To Cure(邦題:治療不可)」からは、ジョー・リン・ターナーが最後までヴォーカルを務めています。このアルバムはアメリカでも成功したらしいですが、後 年ホワイトスネイクは1位になっていますから、同じパープル出身とはいえ、この点の勝負はリッチーよりもデヴィッド・カバーデールに軍配が上がったようで す。
このアルバムではリッチーはタイトルにもなっている曲でベートーヴェンの第九の終楽章を恥ずかしげもなく弾きまくっています。私は苦手だ。
次のアルバムは「Straigt Between The Eyes(邦題:暗闇の一撃)」は、なかなかいいアルバムだと私は思っています。1曲目の「Death Alley Driver」は、「Highwaystar」みたいですが、それより成功していません。
そして事実上のラストアルバムとなった「Bent Out Of Shape」ですが、この作品は確かにレインボーの中にあっては比較的評価が高いのですが、ジャケットからはレインボーらしさはなくなっています。
ディープパープルからレインボーに入った人は多いと思います。パープルよりもリッチー色が強いようにも思えます。でも私はレインボーだし、これは クラシックで言えば私のマーラーに対するこだわりと一緒で「Rising」は私にとっては「復活」と同じくらい重要なアルバムです。そしてレインボーは私 にとって、リッチーのバンドである以上にロニー・ジェイムス・ディオのバンドなのです。 ELFに始まり、レインボー、ブラックサバス、Dioと、彼のア ルバムはどんなにつまらなくても買います。聴きます。
あの小さな身体から出る力強い声は、私を魅了してやみません。
この記事をきっかけに調べてみたら、こんな素晴らしいサイトを見つけてしまいました。
レインボー研究所