一方リビングでは犬敷島の捕り物劇がくり広げられていた、犬敷島は猫敷島のタックルを身をよじってかわすと階段を駆け上がっていく、
バ敷島がそれを追いかけ階段を昇り切る直前で犬敷島に組み付いた、
犬敷島 「こ・・この野郎、離しやがれ!」
バ敷島 「逃がすもんかあ!」
( 階段でもみ合う二人、そこに猫敷島も駆けつけバ敷島に加勢する )
猫敷島 「ジタバタしたって無駄だ、もう観念しろ!」
犬敷島 「畜生!てめえらーーっ!」
バ敷島 「こ・・こいつ案外、」
犬敷島は知性と品性が大きく欠如している代わりに体力だけは人一倍あるようで二人がかりでも押さえつけるのはなかなかに困難であった、暴れているうちに犬敷島が階段から足を滑らせ三人が大きくバランスを崩した、
「うわあ!」 「うわわっ!」 「うおっ!」
三人の敷島がダンゴ状態になって階下まで転がり落ちてしまった、
「ううう、」 「いてて・・」 「あたた・・」
体のあちこちをぶつけ苦悶の表情で身を起こして見つめ合う三人であったが誰が誰だかわからなくなってしまった、
猫敷島 「わ・・私は猫敷島だ!」
敷島A 「私はバ敷島だ!」
敷島B 「何を言う!バ敷島は私だ!」
敷島A 「なにい?貴様、いいかげんなことを言うな」
敷島B 「き、貴様こそ姑息なマネを!」
( 猫敷島の前で二人の敷島がつかみ合いを始めた )
敷島A 「この~、犬敷島めえ、観念しろ!」
敷島B 「誰が犬敷島だ!この大嘘つきめえ!」
猫敷島 「やめろ!二人ともそのまま動くな!」
( 猫敷島に大声で一括されて二人の敷島はもみ合いになったまま動きを止めキョトンとした目で猫敷島を見る )
猫敷島 「本物のバ敷島なら私の質問にちゃんと答えられるはずだ、答えてもらおうじゃないか、まずお前だ、
鉄人の主動力と駆動システムを言ってみろ」
敷島B 「鉄人の主動力は・・XXエンジンでその制御機能はXXXとXXXとXXXの3系統に分かれている」
猫敷島 「ようし、次はお前だ、鉄人の補助動力のしくみを言ってみろ」
敷島A 「そ・・そりゃああの・・電気仕掛けで・・ガチャガチャと、」
猫敷島 「そんないいかげんな説明があるかあ!」 ( そう言って飛びかかっていく )
犬敷島 「ち、ちくしょう!」
犬敷島は同じ敷島ではあってもその知識は科学者と呼ぶには程遠いものでシロートに多少毛の生えた程度である、それゆえに犬犬王の世界では最も低い身分であり貧乏暮らしを余儀なくされているのだ、
再び二人がかりで押さえ込まれた犬敷島であったが、とにかくもうメチャクチャに暴れまくりまたもや三人がもみ合いながら床をゴロゴロとダンゴ状態で転がった、そして何かの拍子でまた三人の体が離れた、三人とも傷ありアザありでひどい顔をしている、猫敷島がいち早く、
猫敷島 「わ・・私は猫敷島だ!」
犬敷島 「じゃ・・じゃあ俺はバ敷島だ!」
二人の敷島 「じゃあ俺はってことがあるかあ!」
犬敷島 「し、しまったあ!」
ここでついに猫敷島とバ敷島の必殺技が炸裂した、猫敷島は犬敷島の腕を取り腕ひしぎ逆十字固め!バ敷島は両足をからめて足四の字固め!
犬敷島 「ぎええええええーーーーーーーーーーっ!」
敷島邸に犬敷島の悲鳴が響きわたりついに犬敷島もここに御用となった、
床に転がって身動きできなくなった犬敷島の傍らでゼエゼエと息を弾ませている猫敷島とバ敷島、
猫敷島 「しかし・・手間取ったねえ・・」
バ敷島 「ええ・・本当にこいつ・・馬鹿力で・・あっ、痛ててて」( 顔をゆがめて切れた唇を押さえる )
バ春江 「ほら、とっととお歩き!」
犬春江がバ春江と猫春江にしょっぴかれてリビングへやって来た、犬春江はロープの代わりに台所にあったサランラップでグルグル巻きにされている、
猫敷島 「やあご苦労さん、こっちもご覧のとおりだ」
バ春江 「あらあら、二人ともひどい顔ねえ」
バ敷島 「ああ、なんせ往生際の悪い奴でね」
バ春江 「こっちもそうよ、もみ合ってるうちに自分は犬春江じゃないとか言い出してさ」
猫敷島 「さすが同レベルの二人だ、やることは一緒だな」
猫春江 「あなた、私頑張ったわ・・でも・・でもとっても怖かった」 ( そう言ってバ敷島に抱きついた )
バ敷島 「あのう・・猫春江さん」
猫春江 「はい?」
バ敷島 「僕、バ敷島ですけど・・」
猫春江 「あら、ごめんなさい」
猫敷島 「春江、おいで」
猫春江 「あなた!」 ( 熱い抱擁を交わす猫敷島夫婦、それを見たバ春江は )
バ春江 「あなた~、私もとっても怖かったわ~~」
バ敷島 「いいよ、無理にマネしなくても」
バ春江 「あっそう」
犬春江 「( 倒れている犬敷島に駆け寄り )あんた~、大丈夫?」
犬敷島 「うう~、は、春江え~」
犬春江 「こんなにされちゃってえ、なんてヒドイ連中なの!」
バ敷島 「何がヒドイだ!自分たちのしたことを棚に上げてよく言うな」
猫敷島 「これが同じ敷島かと思うと情けなくなるね」
猫春江 「それで・・この二人をどうするんですの?」
バ春江 「あとのことはバンワオーさんがやってくれるわ、( バンワオーさん、見ててくれてました?あたし達やりましたわ!
猫敷島さん達を無事救出することができました )」
バンワ(( ありがとう、二人とも本当によくやってくれたね、ご苦労さん、猫敷島さん、バンワオーです、ご無沙汰でした、今回はとんだ災難となってしまいましたが一刻も早くこの世界の安定を取り戻してください ))
猫敷島 「はい、さっそく着手いたします」
猫春江 「この世界のことは私たちに任せて頂いて私たちの創造主である猫猫宮さんを一刻も早く救出してあげてください」
バンワ(( はい、これで安心して犬犬王の世界に乗り込めます ))
バ敷島 「バンワオーさん、これで僕たちはお役御免ですね?」
バンワ(( うん、自分の世界に戻ってゆっくりと休んでくれ ))
バ春江 「あの~バンワオーさん?」
バンワ(( 何かな? ))
バ春江 「あたし達・・こんなに頑張ったんだしい~何かごほうびとか頂いちゃってもいいんじゃないかな~~って」
バンワ(( うん・・そうだねえ ))
バ春江 「別に要求してるんじゃないんですよ、ただ、ごほうびがあってもいいかな~~って」
バ敷島 「それ、要求以外のなにものでもないだろ?」
バ春江 「うるさいわね」
バンワ(( わかった、じゃあこういう設定はどう?応募してた懸賞に当たってペアでハワイ旅行ってのはどうかな? ))
バ春江 「わーーっ!いい、それすごくいいです!ありがとうございま~す!」
バ敷島 「どうもすみません、我がまま言いまして」
バンワ(( いやいや、いいんだ、それくらいの報酬は当然だよ ))
バ春江 「やったわあなた!ハワイよハワイよ!カメハメハーーーーッ!」
バ敷島 「も・・もういいから帰ろう」 (つづく)
