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次元を越えて 猫猫宮救出作戦~犬犬王の逆襲~13

その日の深夜、間もなく日付が変わろうという時刻である、閑静な高級住宅街にガガーーン!という音がこだました、
酒に酔った犬敷島が運転するBMWのオープンカーがヨロヨロと走ってきて敷島邸の門柱に激突した音である、

 犬春江  「な~にやってんのよう、ヘタクソねえ」
 犬敷島  「おろろろ?・・ちょこっとへっこんじまったかあ?」
 犬春江  「ちょこっとって・・前グシャグシャじゃないのさ、あらら、煙も出てきちゃった」
 犬敷島  「まあいいか、車なんかナンボでもあるんだしよう、げへへへ」
 犬春江  「今のショックで酔いが冷めちゃったわ、キャハハハ」
        ( 隣の住人が物音に驚いて表に出てきた )
  隣人  「だ・・大丈夫ですか敷島さん?」
 犬敷島  「なんだあテメエ!見せ物じゃねえぞ!」
  隣人  「いやそんな・・私はただ大きな音がしたもので何かあったのかと・・」
 犬敷島  「何でもいいからアッチ行け、ほれシッシッ」 ( 犬でも追い払うように )
 犬春江  「シッシッ!」
        ( ぶ然とした顔をして隣の住人は自宅に戻っていく )
 犬敷島  「さあ~てと、とっとと屁こいて寝るべえか」
 犬春江  「寝るべえ寝るべえ」
 犬敷島  「♪三年目~の浮気ぐらい多めに見てよ~ってかあ♪」
 犬春江  「♪両手をつい~て謝ったってえ許してあ・げ・ないっとキャハハハ」
  二人  「♪パーヤパーヤ、パッパヤパヤ、パッパッパヤッパ~♪♪」
腕を組み少し千鳥足でご陽気に歌いながら家に入っていく犬敷島夫妻、玄関からリビングに入ってみると部屋の灯りが消えている、

 犬敷島  「あれえ?春江、お前照明消したか?」
 犬春江  「そんなめんどくさいことするわけないじゃん」
 犬敷島  「俺も消した覚えはねえんだけどなあ・・ええと灯りのスイッチは・・おう、これだ」
犬敷島が照明のスイッチを入れると天井のシャンデリア型の照明器具に明かりが灯る、明るく照らされたリビングで思わず犬敷島たちはギョッとなりその場に固まってしまった、目の前に険しい顔つきで自分たちをにらんでいる「二組」の敷島夫妻がいるではないか!

 犬敷島  「えっ?・・ええっ!」
 犬春江  「な・・なんで敷島夫婦が二組も?」
 猫敷島  「ずいぶんと派手に暴れてくれたな犬敷島!」
 猫春江  「あんた達の悪事もこれまでよ!」
 バ春江  「あたし達が来た以上はもう好き勝手はさせないわよ!」
 バ敷島  「以下同文だ!」
 犬敷島  「お・・お前らは何なんだよ?」
 バ春江  「あたし達はバンワオー世界の敷島ペアよ」
 犬敷島  「バ・・バンワオー?・・そんなもん知らねえぞ」
 バ春江  「知ってようといまいと関係ないわよ、ギタギタにしてとっ捕まえてやるから覚悟おし!」
 バ敷島  「以下同文だあ!」

犬敷島と犬春江はゆっくりとお互いの顔を見つめあうと「逃げろ!」という犬敷島の合図で二人は同時に左右に散った!
そして犬春江はやはり女性の習性なのか?キッチンへと一目散に走っていく、「お待ち!」と叫びながら後を追うバ春江と猫春江、

犬春江はキッチンに駆け込むと勝手口から外に脱出しようとドアに手をかけたがロックされていてピクリとも動かなかった、
敷島邸は厳重な防犯システムがセットされており外に出るにも決まった手順でロックを解除しなければならないのだが犬春江がそれを知る由もない、そうこうしている間にバ春江と猫春江がキッチンに飛び込んできた、犬春江は手近にあったフライパンを手に取ってふりかぶる、

 犬春江  「ち、近づくんじゃないよ、ブッ殺されたいのかい!」
言うことは物騒だがなぜかキッチンに置いてある包丁に手はつけていない、幸い犬春江には包丁などという凶器を振り回すほどの度胸はなかったのだ、

 バ春江  「あ~ら、おもしろいじゃない、やれるもんならやってごらん!」
バ春江はそう言うとすり鉢に入っていた太くて長いスリコギを手に身構える、猫春江は壁に引っ掛けてあった大きな鍋を武器として手に取りバ春江のうしろに控える格好になる、キッチンの通路は狭いため二人同時には攻撃をしかけずらい位置関係であった、

 犬春江  「でえーーい!」
 バ春江  「こんちくしょう!」
二人の春江がフライパンとスリコギを武器に激しく打ち合う、カーン、カーン、カン、カン!猫春江はその位置関係からして攻撃をしかけられずにいた、それに猫春江は精一杯闘志をかきたてているとはいえ元来戦闘的な性格ではないのだ、どうしても今一歩踏み込みをためらってしまう、その点三人の春江の中では最も「どう猛な」バ春江は犬春江の持つフライパンを弾き飛ばすほどの勢いでスリコギを打ち込む、
打ち合いが不利と見た犬春江はフライパンを捨てバ春江の懐に飛び込んで組み付いた、その勢いに押されたバ春江は犬春江ともども床にドサッと転がり激しくもみ合う、二人の春江がゴロゴロと上になったり下になったりをくり返しそれを見ていた猫春江はそのうちどっちがどっちの春江なのかわからなくなった、顔も服装も三人ともまったくの瓜二つなのである、いやこの場合瓜三つか?
そのうちどちらかの春江がどちらかの春江を馬乗りになって押さえつけ、こう言った、

 上になっている春江  「さあ捕まえたわよ、犬春江め、もう観念おし!」
 下になっている春江  「ち、違うわ猫春江さん、あたしはバ春江よ、犬春江はこいつよ!」
 上になっている春江  「ま~なんて図々しい!猫春江さん、こんな奴の言うことなんか信じちゃだめよ!」
       猫春江  「え・・ええ~と」
 下になっている春江  「本当よ猫春江さん、本当にあたしがバ春江なのよ!」
 上になっている春江  「いいかげんにおし!このウソツキ女め!」
 下になっている春江  「それはこっちのセリフよう!」

その体勢のままもみ合いを続ける二人の春江、激しい掴み合いで二人の髪は乱れに乱れブラウスもボタンが飛んでしわくちゃでスカートも大きくベロンとめくれ上がっている、それを見た猫春江はハッとなり、そしてこう叫んだ、
 猫春江  「わかったわ!犬春江はあんたよ!」 ( 上になっている春江を指さす )
 犬春江  「ええっ!・・ど、どうして?」
 猫春江  「あんたが履いてるそのド派手なパンティはあたしの洋服タンスに入ってるやつじゃないのよ!」
 犬春江  「し・・しまったあ!」
 猫春江  「もうごまかされないわ!」 ( 猫春江が襲いかかる )
 犬春江  「キャーーッ!」
二人がかりで押さえ込まれ、あえなく犬春江は御用となった  (つづく)

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2006年10月26日 18:43に投稿されたエントリーのページです。

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