バ敷島 「間に合ってよかった、これから4人で力を合わせてこの世界の崩壊を食い止めましょう」
猫敷島 「うん、そうだね!」
バ春江 「大丈夫春江さん?どこもケガしてない?」
猫春江 「ええ、平気です、おかげで助かりました、本当にありがとうございました」
バ春江 「まだ礼を言うのは早いわ、とにかく犬敷島をとっつかまえないとね」
バ敷島 「・・それで犬敷島たちは今どこにいるんだろうな?」
猫敷島 「夜遅くに帰ってくるんだ、毎日二人で遊び歩いているようだよ」
バ敷島 「なぜ奴らの行動がわかるんですか?完全防音の地下室にずっと転がされていたっていうのに?」
猫敷島 「うん、情けないがあんな敷島でも一応「同類」なんだねえ、彼らが見た光景や感じたことが何度もフラッシュのように
頭に浮かぶんだ、それで彼らの破壊工作というものが大まかではあるがわかっていた」
猫春江 「そうなんです、たまらない気分でしたわ、特にあの女・・犬春江っていうんですか?もう口にできないほど下品でいやらしいことを・・」
バ春江 「そうなの?もうホントに春江一族の面汚しよね」
バ敷島 「何だよ春江一族って?」
バ春江 「いいじゃないの別に」
猫敷島 「しかし自分たちがイメージによって作られた存在だとわかってやっと納得できたよ、10日以上も飲まず食わずで転がされていたら普通死んでいたって不思議じゃないのにわりと平気なんだからねえ」
猫春江 「本当に不思議でしたわ、今だって特にお腹も空いてないし喉だってそんなに渇いてませんし・・」
バ敷島 「つまり僕たちは全員が不死身だってことですよ」
猫敷島 「ふむ・・不死身ねえ」
バ敷島 「特に猫敷島さんなんかこの世界の中心ですからね、生命力の強さは桁違いでしょう」
猫敷島 「君たちの方はどうなんだね?」
バ春江 「ええ、本来あたし達の創造主は正太郎君をメインにしてたんですけどね、こちらの猫猫宮さんに刺激されて今じゃあもう順位が逆転しちゃってますわ、おかげであたしもそのおこぼれに預かっちゃって、おほほほほ」
バ敷島 「でもなんかウチの場合、春江ばっかりパワフルになっちゃってね」
猫敷島 「それは・・逆に言うと君がどんどんMになっているということじゃ?」
バ敷島 「・・そういう表現はちょっと抵抗あるけど」
猫敷島 「いや、こりゃ失敬」
バ春江 「とにかくまだ8時前だし、犬敷島たちが帰ってくるまでまだだいぶ時間があるみたいだからみんなで食事でもしませんこと?」
猫敷島 「うん・・まあ腹が減っては戦はできんと言うからね」
猫春江 「あたしお風呂に入ってさっぱりしたいわ」
猫敷島 「そうだよな、お互いかなり汗臭いもんな」
バ春江 「どうぞ、ゆっくり入ってらして、あたしその間に食事の用意をしておきますわ」
猫敷島 「そう?悪いね」
バ春江 「いえいえ、どういたしまして、ええと・・簡単にスパゲティでいいかしら?」
猫敷島 「ええ、別に何でも・・」
猫春江 「材料と調味料は全部揃ってますから自由に使ってくださいね」
バ春江 「了解しましたあ!」 (おどけて敬礼して見せる)
敷島邸の浴室 10日以上に及ぶ体の垢を洗い流しバスタブに深々と身を沈めている猫敷島夫婦
猫春江 「ああ・・体の疲れが全部ほぐれていくみたいだわ」
猫敷島 「君と一緒にお風呂に入るなんて何年ぶりかな?」
猫春江 「そうね・・もうそうとう昔じゃないかしらね?」
猫敷島 「よく流しっこしたもんだがねえ」
(いつしかバスタブの中で猫敷島の手が春江の体を撫で回している)
猫春江 「ああん、もう、あなたったら何考えてるのよこんな時に」
猫敷島 「いや・・なんかいろんな意味で興奮してるもんでね」
猫春江 「そういうエネルギーはこの後のために取っておかなきゃダメでしょ?」
猫敷島 「まあ、そりゃわかってるんだが・・」
猫春江 「この続きはきちんと決着をつけた後でタップリと・・ねっ?」
猫敷島 「ああ・・うん」
キッチンでテーブルを囲みスパゲティを食べている二組の敷島夫妻、ミートソース、トマトソース、クリームソース、カルボナーラと多彩であるがすべて敷島邸のキッチンにあった高級缶詰であってバ春江の腕前とは無関係である、
猫敷島 「いやうまい、食べなくても死なないとわかってもやっぱりちゃんと食事しないと力が出ないな」
バ敷島 「しかし本当に美味しいですねこのソース」
バ春江 「このソースの缶詰・・外国から取り寄せたものみたいだけど?」
猫春江 「行きつけのレストランのオーナーシェフが是非にって勧めてくれたの、イタリアの高級ホテルで使ってるソースを缶詰にしたんですって」
バ春江 「へえ~、いかにも高そうねえ」
猫敷島 「ええ、ひと缶だいたい・・7千猫円くらいかしら?」
バ春江 「・・何なの猫円って?」
和気あいあいとした食事が終わり4人はリビングに移動した、時刻は間もなく午後10時になろうとしている、
猫敷島 「さて、あと1~2時間もすれば犬敷島たちが帰ってくるだろう、私たちはそれを待ち伏せるわけだが、なるべく心を無の状態にして彼らに対する敵意を抑えた方がいい、なぜならさっきも言ったように彼らも私たちと「同類」には違いないからね、私が彼らの行動や感情を感じたように彼らも私たちの心を感じ取れると思った方がいいだろう」
バ敷島 「そうですね、待ち伏せを悟られてしまっては何にもならない、逃げられてしまっては僕たちだけで見つけて捕まえるのは至難の業だ」
バ春江 「だいいちそんな時間の余裕はないわ」
猫春江 「闘志は胸の奥にしまって無心で待ちましょう」
猫敷島 「・・では精神を統一して無我の境地を心がけよう」
バ春江 「無我の境地ねえ、言うのは簡単だけどけっこう難しいわね」
バ敷島 「特に君は煩悩が多いからなあ」
バ春江 「ふん、悪うございましたわね」
バ敷島 「無心になるって言っても感覚だけは研ぎ澄ましておかないとダメだ、だから居眠りなんかしちゃだめだよ」
バ春江 「うるさいわねえ、わかってるわよ」
かくして二組の敷島夫妻は己の存在を極力消して犬敷島たちの帰りを待ったのである (つづく)
