正太郎 「合体したらどうなるんだ?ロデムは違う生き物になってしまうのか?」
バビル 「いえ、ロデムはロデムのままです、イリスがロデムの中に溶け込む形になるそうです」
正太郎 「すると・・このイリス自身は消滅してしまうわけか?」
バビル 「形の上ではそうですが合体してイリスがロデムに変化すると考えられるわけですから・・」
正太郎 「そういうことになるのか」
山岸 「バビル君、これは彼らにとっては自然なことなんじゃないだろうか?」
バビル 「そうですね、男女が結ばれるみたいな・・」
山岸 「うむ、この生物の生態のひとつなのだろうね」
バビル 「そう思います」
正太郎 「早い話、つまりロデムはこのイリスに恋をしたってことか?」
ロデム 「私が恋?・・いや、そんなものとは、」
バビル 「ロデム、このイリスのことを考えると気持ちがそわそわして落ち着かないんだろう?」
ロデム 「はあ・・」
バビル 「そばにいたいと思うだろう?」
ロデム 「はい・・思います」
バビル 「触れたいとも思うだろう?」
ロデム 「はい・・」
バビル 「だからそれが恋なんだよ」
ロデム 「恋なんでしょうか?」
バビル 「恋だよ」
ロデム 「はあ・・」
正太郎 「バビル、ロデムはその・・男性なのか?」
バビル 「さあ、どうでしょう、ロデム、そうなのか?」
ロデム 「いえ、性を意識したことはありません」
バビル 「ふむ、ロデムがイリスを包み込むことになるわけだから、イメージとしては男性かなあ?」
正太郎 「でもカマキリのメスはオスを食べてしまうだろ?」
バビル 「なにもカマキリを引き合いに出さんでも・・」
正太郎 「ああ、すまん(苦笑)」
山岸 「話はわかった、非常に興味をそそられる話だ、だがイリスは身を守るためとはいえ三人の人命を奪ってしまった、これをどうしたもんじゃろうね?」
バビル 「博士、犠牲になった人達は本当に気の毒だと思います、ですが猛獣が人を襲ったとしてその動物に罪を問うというのは意味のないことだと思いますが・・」
山岸 「うむ・・確かになあ」
バビル 「表面上はこの研究所で生態を詳しく調べた後に始末したという形にできないでしょうか?」
山岸 「しかし合体してしまったら調査しようにも・・」
バビル 「そうですね、では博士、ちょっとそこのパソコンをお借りしますよ」
山岸 「ああ、どうぞ」
バビルがパソコンを操作、ほどなくプリンターから何枚ものデータがプリントアウトされて出てきた、
バビル 「博士、これを」 (データを手渡す)
山岸 「これは?」
バビル 「バベルの塔のコンピュータから転送しました、ロデムの生態を詳しくまとめてあります、こちらで調べるよりももっと詳細で多彩なデーターになっています」
山岸 「ほう、」
正太郎 「いいのかバビル?それは極秘の情報じゃないのか?」
バビル 「本当はそうですがまあこの際いいでしょう、それを見たからといって実用化できるものじゃないし、宇宙にはこんな不思議な生物もいるというひとつの資料になるだけでしょうから、」
山岸 「まあ確かに私の科学者としての好奇心を満たすだけと言ってしまえばそれまでだがね」
バビル 「その資料が十分お役に立つと思いますよ」
山岸 「うむ、じっくり見せていただこう、ついでにひとつお願いがあるんだが・・」
バビル 「何でしょう?」
山岸 「この2体が合体した後の生態の変化なども後でデータを送ってくれんか?」
バビル 「わかりました、ではそういうことでこのイリスの身柄は頂いてよろしいでしょうか?」
山岸 「わかった・・それで今ここで合体するのかね?」
バビル 「ええ、ご覧になりたいでしょう?」
山岸 「ああ、もちろんだ」
バビル 「ロデム、わかってくれたよ」
ロデム 「ありがとうございます」 (つづく)
