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復刻版 正太郎日誌 合体5

 バビル  「(視線を正太郎から山岸博士に移し) ロデム、ここで何をしているんだ?」
 正太郎  「ロデムだって?」(山岸を見る)
  山岸  「・・バビル様」
 バビル  「ロデム、いったいどうしたというんだ?」
 正太郎  「バビル、この男は山岸博士じゃないのか?」
 バビル  「本物の山岸博士は部屋で眠らされていますよ」
 正太郎  「眠らされて?」
 バビル  「ご心配なく、命に別状ありません、1時間くらいで目が覚めるはずです」
 正太郎  「するとやっぱりこいつは君のしもべのロデムなのか?」
        (山岸の体がグニャリと変形しみるみる黒ヒョウの姿になった)
 正太郎  「あああっ!」
 バビル  「二日前、突然無断で搭から姿を消したんです、僕がどんなにテレパシーで呼びかけても返答しませんでした」
 正太郎  「でも君には絶対に服従するんじゃなかったのか?」
 バビル  「ええ、こんなことは初めてなんです、誰かに命令されたわけでもないようですし・・」
 正太郎  「するとロデムは自分の意志だけで主人である君の呼びかけを無視してここへ来たわけか?」
 バビル  「そういうことです、ロデム、僕の呼びかけに応答しなかったのになぜ僕がお前の居場所をつきとめられたのかわかるかい?」
 ロデム  「いえ・・なぜここがわかったのですか?」
 バビル  「確かにお前は僕のテレパシーには答えなかった、だがテレパシーを受ける度にお前の心は大きく揺れた、その念の乱れを追ってきたんだ」
 ロデム  「そうだったのですか」
 バビル  「完全に無視されていたらわからなかったよ」
 ロデム  「・・・・・・・・」
 バビル  「(カプセルを指さし) その生物が原因なのか?」
 ロデム  「はい」
 バビル  「こいつはお前と同じ種族なのか?」
 ロデム  「まったく同じではありませんがほぼ同じと言っていいでしょう」
 バビル  「どうしてこれが地球に来たことがわかったんだ?」
 ロデム  「イリスの叫びを聞いたのです」
 バビル  「イリス?」
 ロデム  「便宜上イリスと名づけました、小惑星の名前を取ったのです、本来念で通じ合う者同士に名前など意味はないのですが私は名前でお呼びする習慣がついておりますから・・」
 バビル  「なるほど、イリスか・・このイリスがお前に呼びかけたというのか?」
 ロデム  「私がいることは知らなかったのです、(誰か助けて!)という振り絞るような叫びが突然聞こえてきたのです」
 正太郎  「すると・・こいつは知的生物なのか?」
 ロデム  「はい」
 バビル  「しかし、だからと言って・・」
 ロデム  「はい、私はバビル様の命には絶対服従するよう作られていますし、命に背くことなど考えたこともありません、ですがこのイリスの呼びかけは私の心のいちばん奥深くに眠っていた何かを目覚めさせました、そうなるともういてもたってもいられず搭を飛び出していたのです」
 バビル  「そんなことがあるとはな・・」
 正太郎  「同じ種族か・・そういえば今はこんな黒ヒョウの姿をしているが本来このロデムは・・」
 バビル  「ええ、このカプセルの生物と同じく不定形生物です」
 正太郎  「ロデムは初めて同じ種族に出くわしたんだな」
 バビル  「バビル1世の記録によればロデムは太陽系以外の星雲に生息していたそうで、それを従順なしもべとして改造したということですが、」
 正太郎  「じゃあこの生物も気の遠くなるほど遠くの宇宙からやって来たということなのかな?」
 バビル  「きっとそうでしょう」
 正太郎  「地球上にロデム一体だけだったら心を乱されることはなかったわけだ」
 バビル  「遠く離れた太陽系ですからね、バビル1世もそこまで計算してなかったんでしょう」
 正太郎  「それで・・このイリスをどうするんだ?」
 バビル  「さあ・・ロデム、お前はどうしたいんだ?」
 ロデム  「はっきりとは決めていません、とにかくイリスに逢いたい、イリスを助けたいと、そればかりを考えて夢中でここまで来たのです」
 バビル  「助けたいか・・金田さん、このイリスは生態を調べた後で最後には殺されてしまうんですか?」
 正太郎  「そうだなあ、三人が犠牲になってるからなあ・・」
 ロデム  「イリスは恐怖にかられて夢中で身を守っただけなのです」
 正太郎  「恐怖にかられてだって?」
 ロデム  「恐ろしい怪物がうようよいると言っていました」
 正太郎  「恐ろしい怪物?そりゃ何か?人間のことを言ってるのか?」
 ロデム  「そのようです」
 正太郎  「こいつに怪物呼ばわりされるとは思わなかったな」
 バビル  「まあイリスから見ればそういう風に見えるかも・・」
 正太郎  「僕の一存で決められることじゃないがこの生物は危険な生物とされているからな・・」
 バビル  「そうですね、助けると言ってもそれは難しいでしょうね」
 正太郎  「うん」
 ロデム  「バビル様、お願いがあります、しならくイリスと二人だけで話をさせて頂けませんか?」
 バビル  「話か・・まあいいだろう」
強化ガラスのカプセルに体を密着させ中のイリスに語り始めたロデム、正太郎はもちろんバビルにも彼らの会話は理解できなかった、
                       (つづく)

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2006年09月11日 15:53に投稿されたエントリーのページです。

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