午後8時 山岸宇宙科学研究所 正太郎の車が到着する、玄関前は4人の警察官が警備している、
正太郎 「ご苦労様です、金田です」
警官 「やあ正太郎君、生物を見物に来たのかい?」
正太郎 「ええ、野次馬根性ですよ、もう分析は始まってるのかな?」
警官 「ちょっと前からね、研究室はエレベーターで3階に上がって右の突き当たりだよ」
正太郎 「どうもありがとう」
軽く会釈して中へ入る、エレベーターで3階へ、研究室の入り口にも3名の警官が防護服に身を包んで警備に当たっていた、
正太郎 「ご苦労様です、金田です」(挨拶して中へ)
研究室の中は様々な計測機器、何種類もの薬品やフラスコ、ビーカーがところ狭しと並んでいる、
その生物は強化ガラスのカプセルの中でもぞもぞと動き回っている、研究員が2名いたが山岸博士の姿は見えない、
正太郎 「お邪魔します、金田です」
研究員 「やあ、いらっしゃい」
正太郎 「山岸博士は?」
研究員 「自分の部屋に資料を取りに行かれた、もうすぐ戻られるよ」
正太郎 「そうですか(カプセルに歩み寄り) けっこう元気よくって言うか・・よく動いてますね」
研究員 「うん、前回と違って活きがいい(笑)」
正太郎 「この生物について何かわかったんですか?」
研究員 「うん、とにかく地球上の生物学の常識はまるで通用しないからね、わからないことだらけなんだが粘膜を採取して調べたら細胞組織は強いて言うとアメーバに近いものがあるね」
正太郎 「へえ、知的生物ってことはないんでしょうか?」
研究員 「とてもそうは見えんがねえ」
正太郎 「前回地球にやって来たのと同じ種類なんでしょうか?」
研究員 「正確に言うと前回のとは少し違うようだよ、表面の形状に違いがある、体液の成分にしてもそうだ、でも大きく言えば同族と言っていいと思うね」
正太郎 「それだけ宇宙は広いってことですね」
研究員 「そういうことだね」
(研究室に山岸博士が戻って来た)
正太郎 「ああ博士、お邪魔してます」
山岸 「うん・・」
気のない返事を返しカプセルの生物をじっと見つめている、どことなく妙な印象を受ける正太郎、
研究員 「博士、次の分析の準備はできてます、始めますか?」
山岸 「今日は・・もうやめよう」
研究員 「やめるって・・どうしてです?」
山岸 「傷つけたりすることはない・・そっとしといてやろう」
研究員 「はあ?」
正太郎 「・・・・?」
研究員 「しかし博士、この生物の生態を調べないことには・・」
山岸 「急ぐことはない、もう少し様子を見てからでも遅くない」
研究員 「本当に・・それでいいんですか?」
山岸 「いいさ、」
研究員 「はあ・・まあ博士がそうおっしゃるなら・・」
その時、研究室の入り口が開き一人の男が入ってくる、正太郎と山岸、その意外な人物に驚きの色を隠せない、
人物 「久しぶりですね、金田さん」
正太郎 「バビル!・・バビルじゃないか!どうしてお前がここに?」
バビル 「僕のしもべを追ってきたんです」
正太郎 「しもべだって?」 (つづく)
