ゴーーッ、鉄人の飛行音が聞こえてきた
「おお!鉄人だ、鉄人が来てくれたぞ!」
隊員たちの前に鉄人と正太郎が着地する、
正太郎 「みなさん、あとは鉄人が引き受けます」
隊員 「正太郎君、あれだ、着色弾で黄色く染まってる」
正太郎 「わかりました、さあ行け鉄人!」
鉄人がバンワオーーッと雄叫びを上げ黄色く染まった生物に向って一歩一歩前進を開始する、細長く伸びたその生物はまるで鎌首をもたげた蛇のような姿勢で鉄人に対し臨戦態勢を取ったかと思うと猛烈なスポードでジャンプし鉄人の顔面にベッタリと覆いかぶさった、もちろん鉄人にダメージなどあろうはずがない、捕獲する側にとっては相手から飛び込んで来たのだからむしろ好都合である、鉄人の両手が顔に付着した生物をベリベリと引き剥がした、
正太郎 「ようし、今だ」(リモコンの二つのボタンを同時に押す)
バリバリバリバリ・・・激しい電撃の音が辺りに響き渡る、ビクン、ビクンと生物は鉄人の手の中で激しく痙攣を起こす、苦しみのたうち回っている様子が見て取れる、30秒近く電撃を加えると生物はあまり動かなくなってしまった、
正太郎 「だいぶ弱ったようだぞ」
隊員 「正太郎君、殺してしまうのかい?」
正太郎 「いえ、なるべく生きたまま捕獲して欲しいってことですから、そろそろいいでしょう」
鉄人の放電が止まった、生物は鉄人の手の中でぐったりして動かない、
正太郎 「このまま本部まで運びます、連絡してください」
隊員 「本部、ただいま鉄人が生物を捕獲しました、これより搬送します、準備の方をよろしく」
大塚 「捕獲できたか、いやご苦労だった、カプセルの用意はできておる、いつでもいいぞ」
隊員 「わかりました、正太郎君いいそうだ」
正太郎 「それじゃあ」 (リモコンを操作)
生物を抱えたまま鉄人が上昇、本部に用意されている強化ガラス製のカプセルへと向う、カプセルの位置は前もって鉄人の知能回路にインプットされており正太郎がその場にいなくても鉄人はカプセルの前に正確に着地し生物をその中へ投げ入れた、
山岸 「よし、天井の蓋を閉めてロックしろ」
(強化ガラスのカプセルがぴったりと密閉される)
大塚 「博士、まだ生きておりますか?」
山岸 「ええ、かなりダメージを受けておるようですが前回ロボット工場で受けたような強い電流ではありませんし、時間も短いので大丈夫だと思います」
大塚 「危険はありませんか?」
山岸 「このカプセルの中に入れておけば大丈夫だと思いますが」
大塚 「万一ということがありますからな、研究所には警備の者をつけさせて頂きますよ」
山岸 「わかりました、お願いします」
大塚 「谷口君、捜索隊は全員無事か?」
谷口 「5名が負傷したという連絡ですがいずれも軽傷とのことです」
大塚 「そうか、まあ犠牲者が出なくて何よりじゃった、順次撤収させてくれ」
谷口 「はっ」
(正太郎が本部に戻ってくる)
正太郎 「親父さん!」
大塚 「おお正太郎君、ご苦労じゃったな」
正太郎 「(カプセルに目をやり) まだ生きてるでしょう?」
大塚 「うむ、もうもぞもぞ動き出しとるぞ」
正太郎 「ちょっと気絶したくらいですね」
大塚 「そんなところじゃな」
山岸 「おかげで今回はいろいろ調べられそうですよ」
正太郎 「今夜からでもすぐ始められるんですか?」
山岸 「これを研究所に持ち帰るだけでも夜になってしまいますが今夜にでも着手するつもりです、フフフ私もいささか興奮しておりましてな、明日まで待てそうもない」
正太郎 「面白そうですね、僕もお邪魔していいですか?」
山岸 「ええ、かまいませんよ」
正太郎 「では今夜伺います、じゃあ親父さん、僕は鉄人と一旦研究所に戻ります」
大塚 「うむ、敷島さんによろしく言っておいてくれ」
正太郎 「それじゃ、お先に失礼します」
正太郎の声 「敷島研究所に戻り鉄人の改造した箇所を元に戻す作業を手伝って定刻に研究所を出てから僕は山岸博士の研究所へと向った、あの生物の生態が明らかになるかと興味津々だったのだが事態は思いもよらない展開を迎えることになる」 (つづく)
