正太郎の乗ったヘリコプターと鉄人が本部前に着地した、
大塚 「おう、正太郎君、待っておったぞ」
正太郎 「お待たせしました、捜査はこれから?」
大塚 「うむ、君と鉄人が来るのを待っておったんじゃ、それじゃ始めるとするか、(マイクを手に)大塚じゃ、全員捜索を開始せよ」
ガイガーカウンターを所持した特殊部隊が前進を開始した、
大塚 「正太郎君、山岸博士にも来て頂いたよ」
山岸 「やあ正太郎君、久しぶりじゃね」
正太郎 「ご苦労様です、博士、やっぱりあの『光る生物』でしょうか?」
山岸 「うん、ここへ来る前に警察で遺体の解剖に立ち会ってきたんだが、あの死に方は前回の時とまったく同じだ、それに死体には微量ながら放射能の反応があった」
正太郎 「それじゃあやっぱり・・」
山岸 「状況証拠は揃ったと言えるね」
大塚 「あんなもんにたびたびやって来られてはたまらんな」
山岸 「確率的にそうあることではありませんよ、今回小惑星イリスに弾かれて隕石のコースがたまたま地球に向いてしまったようです」
正太郎 「親父さん、殺すのではなく捕獲が目的なんですか?」
大塚 「まあ、できるものならという解釈でいいが山岸博士もできれば今回はじっくりと研究してみたいということでな」
山岸 「前回は高圧電流を激しく受けていてかなり細胞組織がズタズタになっていましたのでね、詳しい生態を調査することができなかったのです、欲を言えばなるべく無傷で捕らえて頂ければありがたいのですが・・・」
大塚 「そればかりは何とも言えませんな」
山岸 「もちろん承知しております」
捜査開始から約一時間後、一人の隊員のカウンターに弱い反応があった、
「こちらBブロックの18号、弱い反応を確認しました」
大塚 「Bブロックか、よし各隊はBブロックに集合し、集中的に捜索せよ」
正太郎 「親父さん、どっちの方角です?」
大塚 「うむ、あちらの方角じゃ」 (指差す)
正太郎 「鉄人を向かわせますか?」
大塚 「いや、発見するまで待て」
森の中を捜索隊が大挙して奥へ奥へと歩を進めている、
「こっちにも反応がある」
「こっちにもだ」
「この辺りをうろついたようだぞ、この反応はあいつが通った跡なんだ」
「おーい山下、そっちはどうだ?」
「こっちには何の反応もない」
「こっちへ来てくれ、どうもここから東へ向かってるようだ」
「わかった、みんな!隊列を組んで東へ行くぞ!」
生物の跡をたどりさらに奥へと進む一行、やがてひとりの隊員のカウンターが激しく反応し始めた、
「す・・すごい反応だ、こりゃあ近いぞ」
(目の前に一本の樹が立っている)
「まさか・・・これってことは?」
そう思った瞬間、何本もの樹の枝が隊員の体に巻きついた、
「うわっ!」
そのまま体を軽々と持ち上げられてしまう、樹がドロドロと光を帯びながら溶け出し隊員の全身を包んでしまった、
とっさの攻撃に手に持っていたスタンガンを落としてしまった、
「ちくしょう、離せ!離しやがれ!おーーい、ここだ、来てくれーっ!」
全身を生物に覆われてしまったが防護服のおかげで直接皮膚をさらしていなかったため血液を吸い取られてはいないが、まるでアナコンダのような強烈な締め付けを受けている、
「うぐぐ・・・た、助けてくれーっ!」
「おいあそこだ!誰か襲われてるぞ!」
他の隊員が駆けつけ持っていたスタンガンから1メートルほどのノズルを伸ばし生物に突きつけた、パチパチッと音がする、
その電流のショックを受けたのか巻きついていた隊員から離れ2~3メートル後ずさる、たちまち四方から隊員が集まり包囲された、
「着色弾を撃て!」
信号弾用の銃にペイントのカートリッジを装填し生物に向かって撃ち込む、バシュッ!生物の表面で弾け黄色く染まる、
二発、三発と着色弾を撃ち込まれ生物の全身は黄色一色となった、これで岩や樹や地面に姿を変えようと一目瞭然である、
包囲網を突破しようとその生物はある方向へ突進したが4~5人の隊員がスタンガンを同時に突き立てると弾かれるように後退する、
「やっぱり電流には弱いらしい、一本のスタンガンより3本以上突き立てた方が効果がありそうだ、最低3人以上で固まれ、無理にこっちからつっかけることはないんだ、逃がさなければいいんだ、おい、信号弾を撃って位置を知らせろ」
バシューーッ・・信号弾ののろしが正太郎たちの目に留まった、
大塚 「あそこじゃ!」
正太郎 「親父さん、鉄人を出します!」
大塚 「頼む」
正太郎 「鉄人、行こうぜ」
鉄人の手が下ろされ正太郎が乗る、ロケットエンジン点火、20メートルほど上昇し現場へと向う、特殊部隊に包囲され身動きできず一ヶ所に留まっていた生物であったが突然細長く姿を変形させたかと思うとまるでムチのようにしなり猛烈な勢いで前方にいた隊員3人を横からなぎ払った、ビシュン・・バシッ!
「うわっ」 「ぐおっ!」 「ぐはっ!」
思いもかけない攻撃にスタンガンを突き立てる暇もなく倒されてしまった三人、
「いかん、危ないぞ、下がれ!その辺の樹や岩を盾にするんだ」
少し距離を取り手近な樹にへばりついて横からの攻撃に備える隊員たちであったが今度は一本の槍のように細く長く、そしてシュッと素早く伸びて正面から隊員のひとりに激しくブチ当たった、
「ぐわっ!」
まるでビリヤードで突かれた玉のように吹っ飛ばされる隊員
「ち・・ちくしょう!何てバケモンだ!」 (つづく)
