島田(父)「まあ親の口から言うのも何ですけど、昔からラジコン飛ばして遊ぶのは得意な子やったんです、操縦教えたらムチャクチャ覚えがいいんです、こいつの右に出るもんがおらしまへん」
敷島 「へえ」
島田(父)「正太郎、お父ちゃんちょっと顔出してくるさかい、雷人のこと説明したりい、ほな敷島さん、後で鉄人のブースに顔出さしてもらいます」
敷島 「ああ、うんあとで・・」
(一礼してその場を去る島田幸治)
島田 「あのう・・どこまで聞かはったんですか?」
敷島 「いや、まだ何も」
島田 「そうですか、まあ見ての通り全体のイメージはやっぱり鉄人を意識して作られとりますわ」
金田 「空も飛べるんだよね?」
島田 「そらあ当然や、水の中だって進めるでえ、外装もムチャクチャ頑丈にできとる、頑丈さでは鉄人にひけは取らんつもりや」
敷島 「手と足の補助動力についてはどうかね?」
島田 「そこんとこは本家の鉄人の専売特許やさかいありまへん、その代わり関節部分はえらいゴツイ造りになっててめったなことでは外れんようにできてるんです」
金田 「でも、それでももし腕とか取れちゃったらどうするの?」
島田 「その時は安全装置が作動して腕に通じる回路の送電をストップするようになってるんや、少し動きは鈍くなるけどまだまだ戦えるでえ」
金田 「へえ、まだ実戦とかは経験してないんだよねえ?」
島田 「うん、近頃世の中平和やからねえ、雷人の腕の見せ場があらへんねん」
敷島 「武器とかは装備してるのかね?」
島田 「そらあできまへんわ、法律に引っかかりますよって、せやけどそこは抜け道がちゃんとおまっせ」
金田 「抜け道って?」
島田 「はは、そりゃちょっと今んとこは企業秘密いうやっちゃ」
敷島 「ふむ・・企業秘密ねえ」
しばらく雷人の基本性能を二人に語って聞かせていた島田正太郎であったがふと一人の来場者に目がいく、
島田 「署長はん、ここやここや」(手を振る)
来場者 「おお正ちゃん、少し遅れてしもて堪忍やで」
(警察官の制服を着た50代の男性が三人の元に歩み寄る)
島田 「署長はん、ご存知やと思うけどこちら敷島博士と金田正太郎君ですわ」
来場者 「おお、これはこれは、お初にお目にかかります、私、大阪城西署の署長をやっとります君塚いいます、どうぞよろしゅうに」
敷島 「はじめまして敷島です」
金田 「金田です」
君塚 「どないですか?この関西のパワーを結集した雷人は?」
敷島 「いや驚きました、設計したのがかつての鉄人のスタッフだった島田君だったということも・・」
君塚 「そうでんなあ、ほんま島田先生はよう努力されましたわ、鉄人にひけを取らんようなロボットを作ってみい言うたかて普通のもんやったら尻込みするところやけど、あきらめんと完成させはったんですから・・」
敷島 「ところで君塚署長さんは雷人とはどういう?」
君塚 「はあ、雷人には関西の大手企業はもちろん大阪府警も全面的に肩入れさせてもろとるんですわ、それでまあ、私が担当・・言うたらちょっと大袈裟ですけどな・・」
敷島 「そうですか」
島田 「島田正太郎と君塚署長のゴールデンコンビが誕生したというわけや、金田正太郎と大塚署長に負けてられへんでえ」
君塚 「はは・・まあそういうこってすわ」
敷島 「はあ」
金田 「・・・・・・・・・」
正太郎の声 「鉄人と雷人、島田正太郎と君塚署長?偶然だとしてもまぎらわしいったらありゃしない、
関西の対抗心というのもこうまで露骨にされるとうざったいばかりだ」 (つづく)
