大塚 「鉄人が来るぞ!さあ正太郎君」
正太郎 「はい!」
リモコンのスイッチを入れる、この時ロビーの持っているリモコンからかすかに「プツッ」という音が漏れるが当然ながら気にも留めていない、
正太郎 「ようし、今度はこっちの番だ、鉄人、あのロビーたちを粉々にしてしまえ!」
ヘリコプターの手前で鉄人が反転、海岸にいる2体のロビーに向かって急降下する、
ロビー4号 『ど・・どうしたんだ?こっちへ向かってくるぞ!』
3号 『ち、違う、鉄人、目標はあっちだーっ!』
4号 『うわーーっ!助けてくれ』
一瞬の出来事であった、2体のロビーは鉄人の急降下攻撃をまともに受け、木っ端微塵となり海岸にその残骸をさらしていた、
正太郎 「やったぞ!」
大塚 「見事じゃ!いやあ大成功じゃな」
正太郎 「ロビー、見たかい?」
ロビー 『ああ見た、これでロビーは僕だけになったな』
正太郎 「そういうことだね」
ロビー 『すべては終わった』
大塚 「よおし、あとは地元の警察に任せて我々は引き上げよう」
一行は丸の内署に戻る、ロビーは頑丈な鎖で幾重にも縛られ地下房に入れられた、
正太郎 「署長さん、このあとロビーは?」
大塚 「うむ、明日にも解体処分されることになっとるよ」
正太郎 「ロビーはそれを覚悟の上で僕のところに来たんでしょうか?」
大塚 「まあ隙あらば逃走しようとは思っておったろうが、やはり覚悟は決めておったんじゃろうな」
正太郎 「ロビーのプライドが高かったおかげで事件が一気に解決しましたね」
大塚 「うむ、何が幸いするかわからんもんだね」
正太郎 「じゃあ僕、帰る前にロビーの様子を覗いてみますよ」
大塚 「何か気になることでもあるのかね?」
正太郎 「ええ、あいつ、自分の始末は自分でつけるなんて言ってたんで、」
大塚 「自分でつける?・・どういう意味じゃね?」
正太郎 「さあ、」
大塚 「気になるのう、一応体内を調べて爆発物などは持っておらんことは確認しとるんじゃが・・」
正太郎 「様子を見てきます」
大塚 「ワシも行こう」
正太郎と大塚がロビーの収監されている地下へ下りていくと階段の踊り場で警官と鉢合わせになる、
警官 「あっ、署長、ちょうど呼びにいくところでした」
大塚 「どうした?」
警官 「ロビーの様子がおかしいんです」
大塚 「おかしいとは?」
警官 「とにかく来てください」
ロビーが収監されている房の前に立つ三人、ロビーはひとりでぶつぶつと何かつぶやいている、
ロビー 『・・勝利した・・・勝利した・・世界中が・・・ロボットの国・・・勝利した・・・』
警官 「さっきから壊れたテープレコーダーみたいに同じようなことを何回もつぶやくばっかりで・・」
ロビー 『・・・人間を・・・滅ぼした・・・勝利した・・勝利した』
大塚 「故障でもしたのかな?」
正太郎 「いきなりこうなっちゃったんですか?」
警官 「いえ、最初は警備している目の前の私に向かって話しかけてきたんです、私も手持ち無沙汰だったもので相手をしていたんです、最初はこうなってしまったことはとても残念だということを言っていたんです、負け惜しみも言ってました、するとそのうちありもしない嘘ばかりベラベラ喋り始めたんです、僕は鉄人よりも強いロボットをついに完成させた、そのロボットを大量に生産して鉄人もオックスも破壊して、邪魔な敷島博士や正太郎君や大塚署長も殺して・・あっ、すみません(苦笑)ええと、それで・・僕のロボット軍団が東京を皮切りに日本中の都市を攻撃して人間どもを追い払って・・日本を最初のロボットの国にすることに成功した・・なんてことをあれこれ得意気に私に話すんですよ」
大塚 「ふむ、そんな嘘八百をのう、やはり狂ったのかな?」
正太郎 「・・・・・・・・」
警官 「それで・・日本を占領したロボット軍団はアメリカ、中国に進出して次々と拠点を築いていったっていうホラを吹いている途中で喋りがだんだんおかしくなったんです、支離滅裂になっちゃってこんな具合に・・やっぱり故障でしょうか?」
正太郎 「署長さん、ロビーは嘘を言い続けることで自分の頭脳をわざとマヒさせたんじゃ?」
大塚 「そういえばあまり嘘を言い続けると電子頭脳がショートしてしまうとか言ってたな」
ロビー 『・・・勝利した・・・ロボットの国・・・ロボットの星・・・』
大塚 「こいつは最後まで負けを認めたくなかったんじゃな・・」
正太郎 「ロビーのプライドがそれを許さなかったんでしょう」
警官 「そういうことだったんですか」
大塚 「最後まで人間を敵視したまま自決してしまったのう・・」
警官 「あの・・署長、ロビーの奴、こんなこともちょっぴり話してたんですけど・・」
大塚 「うん?」
警官 「少し意外な態度を見せていた時があったんですよ、僕はロボットの国を作るために人間を残らず滅ぼすつもりでいたけど・・もしかしたら共存することも可能だったかもしれないと・・・」
大塚 「ほほお、こいつがそんなことを・・?」
警官 「そしたらコイツ、すぐに慌てて否定はしてましたが、そんな態度を見せたことが私にはちょっと意外でしたよ」
正太郎 「署長さん、ロビーは残りの2体のロビーを始末するために人間の力を借りるという決断をしたんです、もちろん不安だったことでしょう、いきなり壊されてしまうこともあるわけだし・・でも幸い聞き入れてもらえてこうして人間との共同作戦で目的を達することができたんです、この思ってもみなかった経験がロビーの思考に影響を与えたんじゃないでしょうか?」
大塚 「そういうもんかねえ」
正太郎 「冷酷で傲慢なロボットだったけど最後の最後にそんなことを考えてくれたなら・・何だか少しほっとしますねえ?」
大塚 「そうじゃなあ・・」
正太郎日誌 ロビー復活 (完)
