大塚 「おい、そのケースをあけて見せてやってくれ」
後ろに控えたいた刑事が大きめのケースを開く、正太郎の骨格とほぼ同じサイズのパジャマを着たマネキンが入っていた、
大塚 「子供服のマネキンでいちばん君に似ておると思う物を選んできた、加工してもらって目を閉じた状態にしてもらった、パジャマの下には赤インクを使った血の袋をいくつか付けてある、銃弾を喰らうと鮮血が吹き出たように見える、それにショックを与えると悲鳴を上げるようになっとる」
正太郎 「悲鳴もですか?」
大塚 「こんな具合じゃ」 (軽く持ち上げドサッとほおる)
人形 「ああーーっ!」
大塚 「フフフ、お喋りする人形と同じ仕組みだよ」
正太郎 「これならいけると思うけど・・どうだいロビー、これでだませるかな?」
ロビー 『ああ、これなら問題ない、だいたい人間の顔の判別はロボットにはつきにくいものなんだ』
正太郎 「そうなの?」
ロビー 『例えば人間だって同じ動物の顔はみんな同じに見えるだろう?』
正太郎 「うん、確かに・・」
ロビー 『それと同じだ、正太郎と同じ骨格で正太郎のベッドに寝ていて銃弾を撃ち込まれて悲鳴を上げて血まで出したらもう疑わないよ』
正太郎 「フフ、そうやってロボットに保証してもらえるなら安心だな」
敷島 「鉄人に発信機は取り付けていただけましたか?」
大塚 「指示されたようにロケットの裏側に取り付けました」
敷島 「けっこうです、これで準備は整いましたね」
大塚 「はい、署の屋上にヘリコプターを用意しています、鉄人が飛び立てばすぐに追跡できます」
正太郎 「あとはやって来るのを待つだけですね」
大塚 「そうじゃ、では正太郎君、これから君の家に行きベッドにこの人形を寝かせたらワシらは署の方で待機しよう」
正太郎 「はい、」
ロビー 『正太郎、僕も連れて行ってくれ』
大塚 「なんじゃと!お前も?」
ロビー 『3号と4号がやられるところをこの目で見たいんだ』
正太郎 「署長さん、いいでしょうか?」
大塚 「とんでもない!ドタン場になって何をやらかすかわかったもんじゃない」
ロビー 『そんなに疑うなら僕を鎖でぐるぐる巻きにしたらいい、お願いだ』
正太郎 「署長さん、こう言ってるんだし・・」
大塚 「う~む、よおし、その条件なら連れて行ってやろう」
その日の深夜、闇にまぎれて2台の殺人ロボットが飛行音を抑えながら正太郎邸へと飛来した、そのロボットたちは正太郎の寝室目指して急降下し、窓ガラスを突き破って侵入するとすかさず正太郎の寝ているベッドに向かって胸のマシンガンが火を噴いた、
ガガガガガッ・・「ああーーっ」という悲鳴とともに真っ赤な鮮血が飛び散る、
ロボットA 『やったぞ!正太郎をしとめた』
B 『よし、鉄人の操縦器を探そう』
部屋の中を捜索する2台のロボット、鍵のかかっているデスクの引き出しを力任せにこじ開けると中には鉄人の操縦器が入っていた、
ロボットB 『あった!これだ』
A 『よし、引き上げよう』
2台のロボットたちは鉄人の操縦器を小脇に抱え侵入した窓から飛び立ち闇夜の空へとその姿を消した、その光景を一人の私服警官が
正太郎邸の中庭の茂みの中に身を潜めて見ていた、トランシーバーのスイッチを入れる、
刑事 「こちら正太郎邸、2台のロボットが正太郎君の寝室に突入し発砲しました、その後鉄人の操縦器を奪って空へ逃走!」
丸の内警察署
大塚 「そうか、来たか!」
正太郎 「本当に来たんですねえ」
大塚 「ロビーの言ったとおりになったな、敵の手にリモコンが渡ればすぐに鉄人が動き出すはずじゃ」
正太郎 「結局僕はロビーに助けられたってことになりますねえ」
大塚 「ああ、じゃが殺そうとしたのもロビーじゃ」 (つづく)
