午前6時 二つのリモコンの改造作業は終わった、午前11時、東京湾の奥深くロビー3号、4号の乗った特殊潜水艦が潜伏している、
艦内の作業台に出来上がったばかりの殺人ロボットが2体並んでいる、
ロビー3号 『ようやく出来上がったな、今度こそ確実に正太郎の息の根を止めてやる』
4号 『正太郎の奴、まったく警戒などしていないだろうからな』
3号 「何としてでも操縦器を奪って鉄人を手に入れなければ』
4号 『そして次はオックスだな』
3号 『敷島の家族をさらって脅せば差し出すんじゃないかな?』
4号 『うん、人質を取られると人間というのは素直に従う生物だからな』
3号 『まったく愚かな連中だ』
ギギギギ・・・2体のロビーが不気味な音を立てている、当人たちはこれでも笑っているつもりなのだ、
4号 『しかし2号はどうしたんだろう?』
3号 『俺たちが邪魔に思ってることに気づいたのかな?』
4号 『そうかも知れない、しかしもうとっくにエネルギーが切れている頃だが・・ひょっとして人間に捕まったか?』
3号 『どのみち一人じゃ何もできやしない、もう鉄くずになってるかもしれんぞ、あんな奴消えてくれてよかった』
(またしてもギギギギ・・と笑う2体)
その日の午後、連絡を受けた大塚署長が敷島邸へ部下を伴ってやって来た、
大塚 「おお!本当にロビーじゃ」 (やはり実物と向き合うと身構えてしまう)
大塚 「正太郎君、博士、本当に大丈夫じゃろうか?」
正太郎 「大丈夫って?」
大塚 「こんな奴の言うことを真に受けていいのかな?」
正太郎 「僕もそんなことを考えないでもなかったんですが話を聞いているうちに嘘じゃないって思ったんです、それに本当に
僕の家に来た時はエネルギーが切れかかってフラフラだったし・・」
大塚 「博士はどう思います?」
敷島 「このロビーが本物が作ったコピーだとしたら他にもいると思っても不思議はないでしょう」
大塚 「それはまあそうでしょうな」
敷島 「ものを考えるロボット同士で意見が衝突したというのも実に興味深い話です」
大塚 「ふむ・・」
敷島 「敵の敵は味方だと判断して訪ねて来たという話を聞いた時は思わず唸りましたよ」
大塚 「ふふん、しゃれたことを言う奴じゃな」
ロビー 『署長は僕のことを疑っているのか?』
大塚 「あたりまえじゃ!」
ロビー 『そうか、疑うのが署長の仕事だったな』
大塚 「そういう言い方はよさんか!」
正太郎 「まあまあ署長さん、やっぱり疲れた体でたった一人で現れるなんて無謀ですよ、ロビーの言葉に嘘はないと思っていいでしょう」
大塚 「そうじゃろうか」
ロビー 『確かに僕には嘘をつく能力はある、でも嘘を言い続けるということは電子頭脳にとってはとても危険なことなんだ』
正太郎 「そうなのか?」
ロビー 『ああ、だって事実と違う事を言うわけだろう?それをさも事実であるかのように喋っているとそのうち頭の中が混乱してくるんだ』
大塚 「ほう、そういうもんか?」
ロビー 『限界を超えると電子頭脳がショートして機能が停止してしまう』
正太郎 「へえ」
ロビー 『平気で嘘を言い続けられる人間というものは本当にすごいと思う』
正太郎 「なんか・・誉められてるんだか、けなされてるんだか・・」
大塚 「ふん、まあ取りあえずは信じてもいいようじゃな、ところで正太郎君、朝電話で注文をもらった物を何とか揃えてきたよ」
正太郎 「急に無理を言ってすみませんでしたね」
大塚 「しかし趣味の悪い注文じゃな」
正太郎 「まあ、確かに(苦笑)」 (つづく)
