やがて敷島邸へと到着する正太郎たち、敷島邸の玄関前に立っている二人、いや正確にはひとりと一台、玄関のブザーを押す、
「はあい、どなた?」と敷島夫人、春江の声がする、しまったと後悔する正太郎であった、やはり事前に電話するべきだったと思う、
しかし事が事だけにうまく説明するのが難しくこうして直接来てしまっていた、
正太郎 「あの・・僕です、正太郎です」
春江 「(少しドアをあけ) あら、どうしたの?こんな時間に」
正太郎 「あの、すみません、博士にちょっと急ぎの用があって」
春江 「あらそうなの、いいわ、とにかくお入りなさいな」
正太郎 「あの、おばさん、僕一人じゃなくて・・連れがいるんですが」
春江 「お連れの方が?」
正太郎 「ええ・・あの、おばさんは見ない方が」
春江 「何言ってるの?変な子ねえ、遠慮しないで入ってもらいなさいな」
正太郎 「ええ・・だからおばさんはもう奥に行ってもらって・・」
春江 「わけのわかんないこと言わないの、(ドアを全開し) さあさあ、お連れの方もどうぞお入りくだ・・・(硬直する)」
「キャーーーッ」屋敷中に響き渡る悲鳴を上げ失神する春江、
正太郎 「ああ・・だから言ったのに」
ロビー 『正太郎、この人間は病気なのか?』
正太郎 「病気じゃない、お前を見てびっくりしたんだよ」
ロビー 『僕はそんなに怖いのかなあ?』
正太郎 「とにかくこのままじゃまずい、そこのソファに寝かせよう、ロビー、お前足の方を持てよ」
ロビー 『ああ、わかった』
その数秒後、階段の踊り場に敷島博士が飛び出してくる、
敷島 「な・・何だ!何をしてるんだお前たちは?」
信じられないという表情、無理もない、敷島博士が見た光景は正太郎とロビーが二人がかりで春江を運んでいる姿だったのだから (つづく)
