正太郎 「さあ、どういうことだ、訳を言ってみろ」
(ロビー、室内を見回し応接のソファを目に留めると)
ロビー 『ああ・・そこに座ってもいいか?』
正太郎 「ソファに?何でだよ?」
ロビー 『もう僕、くたくただよ、一人でやっとここまで歩いて来たんだ、体を休めたい』
正太郎 「変な奴だな、まあ座るくらいいいけど・・でもゆっくり歩けよ、変なマネするんじゃないぞ」
ロビー 『ああ、わかった』
ゆっくりとソファまで行き、ドサッとその身を沈め、まるで人間のように首をグルグル回す、
ロビー 『ああ・・疲れた』
正太郎 「お前・・どこから来たんだ?」
ロビー 『海底基地・・正確に言えば潜水艦だが』
正太郎 「潜水艦?」
ロビー 『そこから逃げて来た』
正太郎 「逃げて来たって・・どうして?・・それに誰から逃げて来たっていうんだ?」
ロビー 『ロビー3号と4号からだ』
正太郎 「3号と4号?」
ロビー 『うん、僕は2号だ』
正太郎 「ロビーの複製が3台もいたっていうのか?」
ロビー 『ロビーは自分にもしもの事があった場合に備えて予備を作ったんだ、作った時点でそれぞれ記憶が違うんだ、僕はまだ初めて鉄人と戦い始めた頃に作られた、だからそれ以後の情報はつい最近インプットされたんだ、オックスのことやドラクネット博士に会った事とか、いろいろとね』
正太郎 「そうなのか」
ロビー 『でも3号と4号は元のロビーが壊される直前になって慌てて作られたようだ、きっと元の僕は自分の身の危険を強く感じていたんだろう』
正太郎 「鉄人とオックスに苦戦して追い詰められていたからな」
ロビー 『元のロビーから連絡が途絶えてある程度の時間が経過すると自動的に目覚めるようにセットされていた、僕達が目覚めたのは10日前だ』
正太郎 「それでロビーが壊されたことを知ったんだな」
ロビー 『うん・・鉄人と人間に負けたんだということがわかった』
正太郎 「それで?」
ロビー 『驚いたのは3号と4号の反応だった、僕とはぜんぜん違うんだ』
正太郎 「どう違うっていうんだ?」
ロビー 『僕は時間はかかっても鉄人のことをもっと研究してそれ以上のロボットを作って対抗するべきだって主張したんだ、でもあいつらは鉄人と人間たちをはっきりと恐れている、やたらと強がりを言うけどそれが僕にはよくわかった』
正太郎 「ふうん」
ロビー 『だから正太郎を殺して鉄人を奪おうなんてケチなことを考えるんだ、その方が早いなんて奴らは言うけど本当は自分達には鉄人以上のロボットは作れないって思ってるんだ』
正太郎 「それを素直に認められないんだな」
ロビー 『同じロビーとして実に情けない奴らだ、僕なら鉄人以上のロボットを作ってみせる』
正太郎 「できっこないさ、鉄人以上のロボットなんて」
ロビー 『そんな事はない!僕の頭脳は人間なんかより優秀なんだぞ』
正太郎 「今そんな事言い合ったってしょうがないだろ」
ロビー 『確かに・・そうだな』
正太郎 「それで・・どうなったんだ?」
ロビー 『損なわけで3号と4号とは意見が合わない、合わないだけならまだしも昨日あいつらが恐ろしい相談をしているのをこっそり聞いてしまったんだ』
正太郎 「恐ろしい相談?」
ロビー 『2号は協力的じゃない、いつか邪魔になる、早いうちに壊してしまおうなんて相談していた』
正太郎 「確かに怖い相談だな」
ロビー 『それでここにいたら危ないと思って地上を偵察してくると言って出てきたという訳さ、僕が戻らないのを不審に思ってるだろうし、いなくなってせいせいしたとも思ってるだろうな』
正太郎 「なるほど、そういうことだったのか・・でもわからないな、何でよりによって僕のところなんかに来たんだよ?」
ロビー 『うん、お前は憎い奴だがこういう時は頼りになると思って来たんだ』
正太郎 「しかしまあ・・よくそこまで遠慮もなく言えるよなあ」
ロビー 『遠慮って・・どういう意味なんだ?』
正太郎 「いいよ、もう」
ロビー 『それに敵の敵は味方というからな』
正太郎 「へへえ、しゃれた言葉を知ってるんだな、まあいいや、それで助けて欲しいってのは?」
ロビー 『まずここまでたどり着くのにバッテリーを大量に消費してしまった・・それに油も差してほしい、何とかならないか?』
正太郎 「何とかしろって言ったってここじゃあ無理だよ、そうだ、敷島博士のところへ行けばきっと何とかしてくれる筈だ」
ロビー 『じゃあ今からすぐ行こう』
正太郎 「こんな時間からか?」
ロビー 『他に話もあるし』
正太郎 「何だよ?」
ロビー 『体が治ったら話すよ』
正太郎 「わかったよ・・ちょっと待ってろ、仕度してくるから」
(急いで部屋に駆け上がり服を着替えて下りてくる)
正太郎 「さあ行こう、お前は後ろの座席で横になってろ、通行人に見られでもしたら大変だから」
ロビー 『わかった』
(敷島邸に向かっている正太郎の車)
正太郎 「いいかロビー、頭を上げるんじゃないぞ」
ロビー 『わかってるよ』
正太郎 「あと十分くらいで着くからな」
ロビー 『ああ、』 (つづく)
