正太郎の声 「ケリーの事件が解決し世の中はつかの間の平和を迎えていた、だがやはりそれは長く続くものではなかった、僕はつくづくそういう星の元に生まれているようだ、その日大塚署長の家で食事し遅くまで話し込んで帰宅した時それは起こった」
正太郎 「ああ、もう十時か、今夜はお風呂はやめてもう寝よう」
(パジャマに着替えベッドにもぐり込もうとした時、ふとかすかな物音に気づく、ガチャン、ガチャンという音が表から聞こえてくる)
正太郎 「あの音は?」
その音はだんだんと近づいてくる、家のすぐ前まで来ているのが気配でわかる、正太郎の顔に緊張が走る、その音は玄関の前で止まった、
誰かが来た、いや「何か」というべきか? 不安にかられホルスターから拳銃を取り出し寝室を出て階下へそっと降りていく、
玄関ドアの前まで行き銃を構えた時、「ブーーッ」と玄関のブザーが鳴った、
正太郎 「誰?」 (恐る恐る聞く)
声 『正太郎かい?』
人間の声ではなく機械的な声である、しかも明らかに聞き覚えのある声だ、
正太郎 「そんな・・・まさか・・・そんな筈はない」
声 『開けてくれないか?』
正太郎 「誰なんだ!」
声 『僕だ、ロビーだよ』
正太郎 「ば・・ばかな!・・ロビーの筈がない、ロビーは鉄人に壊されたんだから」
ロビー 『元のロビーは確かに壊された、僕はその複製だ』
正太郎 「複製?」 (言ってる意味がわからない)
ロビー 『そうだ、ロビー1号は自分が壊される前に自分のコピーを作って置いたんだ』
正太郎 「でも・・でも、それにしたってそのコピーが何だって僕の所へ・・さては僕を殺しに来たんだな!」
ロビー 『違うよ』
正太郎 「お前の言うことなんか信用できるもんかあ!」
(テーブルの上に置いてある鉄人のリモコンにチラリと目がいく)
ロビー 『お前を殺すつもりなら僕が一人で来てわざわざ玄関のブザーなんか押さないよ』
正太郎 「そういえば・・そうだな」
(もちろん警戒を解いたわけではないが自分を襲いに来たにしてはいささか不自然である)
正太郎 「・・・じゃあ、僕に何の用なんだ?」
ロビー 『助けて欲しいんだ』
正太郎 「助けてほしい?」
ロビー 『そうなんだ、正太郎、僕を助けて』
正太郎 「お前の言ってることは訳がわからない!」
ロビー 『説明するよ・・頼むから中に入れてくれ』
正太郎 「ちょ・・ちょっと待ってろ(素早く鉄人のリモコンを手にする) いいか、少しでも変なマネをしたら鉄人でバラバラにしてやるぞ!」
ロビー 『わかったよ』
正太郎 「よ・・よし」
恐る恐るドアを開ける、玄関に立っているロボット、まさにロビーであった (つづく)
