グワーーン!激しくブチ当たる両者、ポセイドンが鉄人をがっちりと受け止める、だが相手を捕まえたのは鉄人とて同じである、
鉄人はポセイドンをがっちりと捕まえたままロケットエンジンをフルパワーで噴射し上昇、高度500メートルまで昇る、
ポセイドンは密着した鉄人にパンチを浴びせて抵抗するが鉄人は離さない、高度500メートルからポセイドンの体を下にして急降下、
目標は柔らかい砂地ではなく古い石柱が何本か並んでいる遺跡の一部である、
五十嵐 「あああ!」
正太郎 「行けーーっ!」
ドガガガーーン!遺跡に深くめり込むように激突する両者、ポセイドンの受けた衝撃は凄まじい、高度500メートルから加速度をつけて落下した自分の体重に加え覆いかぶさった鉄人の荷重も受けるというサンドイッチ状態にされたのだ、鉄人もポセイドンをクッションにしたとはいえ受けた衝撃は甚大である、ダメージレベルは「4」に上がった、先に鉄人が立ち上がる、
一方のポセイドンはさすがに驚異的な頑丈さである、ゆっくりと身を起こし始めた、だがその動きは先ほどまでよりいくぶんスローモーに見える、鉄人が背後から近づきポセイドンをがっちりと抱きかかえ空高く舞い上がった、
五十嵐 「金田君、またやるつもりか?」
正太郎 「まだまだやれますよ」
後ろから抱きかかえられている為ポセイドンはただ手足をバタつかせているだけである、高度500メートルを越えた、まだまだ上昇している、
正太郎 「まだまだ、もっとだあ!」
一気に千メートルまで上昇し反転急降下、遺跡をめがけて突っ込む、
五十嵐 「か、金田君、大丈夫か?無茶ではないのか?」
正太郎 「鉄人の頑丈さをとくとご覧にいれますよ」
ゴーーッ・・ドガガガガーーーン!先ほどより更に大きな衝撃音とともに遺跡に深く大きな穴があいた、この一回の攻撃で鉄人のダメージレベルは「5」に上がった、およそ30秒後、2体がめり込んだ深い穴から鉄人が先に這い出してきた、ポセイドンはどうなったのか?
穴の奥から「ウィーンウィーン」という機械音が聞こえてくる、その音とともにポセイドンも穴から顔を出す、その動きは先ほどより更にスローモーに見える、先ほどまで発しなかったその機械音はポセイドンの内部でかなりのダメージが生じているのではないかと推察される、
再度鉄人は背後から突進しポセイドンを捕まえると砂埃を巻き上げて空高く上昇する、
正太郎 「ようし、泣いても笑ってもこれで最後だ!」
再び千メートルまで一気に上昇、そして急降下、ポセイドンはほとんど抵抗らしい抵抗を示さなくなった、鉄人の最後の玉砕攻撃である、
正太郎 「行けーーっ!決着をつけろ!」
そしてそれは高度300メートルまで落下した時であった、巨大な飛行物体が真横から2対に激しくブチ当たった、そのショックで体が離れた鉄人とポセイドン、真横からの衝撃で落下のスピードを殺され、更に目標としていた遺跡を外れ砂地に落下した為そのダメージは軽いものとなった、
正太郎 「な・・何だあれは?」(正太郎が見たもの、それは巨大な鳥であった)
五十嵐 「ロプロスだ!金田君、バビルの三つ目のしもべだよ」
正太郎 「普通の鳥にあんな激しい体当たりができる筈がない、あれもロボットですね五十嵐さん?」
五十嵐 「うむ、実はそうなのだ」
正太郎 「くそっ、ポセイドンが危ないと見て助けに来たというわけか、あいつから先に片付けないとだめだな」
(正太郎が再び鉄人を飛ばそうとした時)
声 (( もうそれくらいでいいでしょう ))・・・頭の中で声がした
正太郎にとって始めての経験である、操縦の手を止めてあたりを見回すと搭の入り口から一人の青年が歩いてくるのが見える、
五十嵐 「今度は・・本物のようだ」
正太郎 「・・・・・・・・・」
五十嵐 「(兵士たちに) いいか、銃なんか向けるんじゃないぞ!」
兵士 「は・・はい」 (正太郎たちの目前まで歩み寄るバビル)
バビル 「久しぶりですね五十嵐さん」
五十嵐 「うむ、本当に久しぶりだ、しばらく見ない間にいい若者になったな」
バビル 「五十嵐さんは頭にだいぶ白いものが増えましたね」
五十嵐 「フフ、その内の何本かは君のせいだよ」
正太郎 「君がバビル2世か?」
バビル 「ええ、初めまして、金田正太郎さんですね」
正太郎 「君がこうして会う気になってくれたのは鉄人の戦いぶりに満足してもらえたということかな?」
バビル 「はい、本当に満足しました、実に見事な戦いぶりでした」
正太郎 「君の気まぐれにつき合わされちゃかなわんよ」
バビル 「でも金田さんもまんざらでもなかったでしょう?」
正太郎 「どういう意味だね?」
バビル 「金田さんの心を読ませてもらいました、喜んでいたとまでは言いませんがぞくぞくするほどの高揚感で戦わせていましたね」
正太郎 「・・・君にはごまかしが効かんようだな」
バビル 「ええ、実戦は久しぶりですか?」
正太郎 「ロボット相手のバトルなんてここ2~3年やってない、フフ、君の言うとおり久しぶりに燃えたよ」
バビル 「正直言って鉄人がポセイドンを相手にあそこまでやるとは思っていませんでした、どこまで善戦するかという程度で見ていたんですがあのままではポセイドンはやられていたでしょう、そこで慌ててロプロスを投入したんです」
正太郎 「ということはロプロスはセコンドが投げ入れたタオルと思っていいのかな?」
バビル 「ええ、鉄人のTKO勝ちといったところですね」
正太郎 「そりゃあ嬉しいな」
バビル 「鉄人の強さを改めて思い知らされましたよ」
正太郎 「だが我ながら無茶な戦法だったよ、しかしあのポセイドンを相手に君が納得するような戦いを見せるにはああするしかなかった」
バビル 「本当にいいものを見せていただきました」
正太郎 「熱烈な鉄人ファンだったそうだね?」
バビル 「今だって好きですよ、鉄人以上に胸を躍らせてくれたロボットはいません」
正太郎 「君は・・いい奴なんだな」
バビル 「そうですか?」
正太郎 「鉄人が好きな奴に悪い奴はいないさ」
バビル 「ハハハハ・・」(愉快そうに笑う)
五十嵐 「鉄人を連れてきて正解だったようだな」
バビル 「ええ、もし五十嵐さんだけだったら丁重にお引取り願っていたでしょう」
五十嵐 「そ・・そうかね(苦笑)」
正太郎 「だが問題はこの搭の所在地が知られてしまったことだ、五十嵐さんでなくでもいろんな人間がここへ続々とやってくるだろう」
バビル 「ええ」
正太郎 「どうしたらいい?」
バビル 「まあ話は中でゆっくりしませんか?ここは暑いですから」
五十嵐 「・・中へ入れてもらえるのかね?」
バビル 「構いませんよ、ただし中に入るのは五十嵐さんと金田さんの二人だけにしてください」
五十嵐 「う、うむ、(兵士に)すまんが君たちはここで待機しててくれ」
兵士 「大丈夫ですか?」
五十嵐 「心配はいらん、話をするだけだ、それが目的だったのだから・・司令部には無事接触に成功したと連絡を入れておいてくれ」
兵士 「わかりました」
五十嵐 「では、お邪魔するとしようか」
バビル 「どうぞ・・」 (つづく)
