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復刻版 正太郎日誌 鉄人バベルの塔へ4

 正太郎  「五十嵐さん、あらしが止まりましたね」
 五十嵐  「バビル2世は鉄人に気がついたはずだ、金田君、鉄人の様子は?」
 正太郎  「特に異常はありません」
 五十嵐  「攻撃は受けていないかね?」
 正太郎  「ああ何も、ダメージレベルはノーマルのままです」
 五十嵐  「搭までの距離は?」
 正太郎  「あと2キロになりました」
 五十嵐  「バビルに敵意があれば攻撃を仕掛けてくる距離だな」
 正太郎  「きっと今困惑してるんでしょうね」
 五十嵐  「よし、呼びかけてみよう」
         (ジープには4台の無線機が積んであり同時に四つの周波数で送信を開始した)

 五十嵐  「バビル、私だ、日本国家保安局の五十嵐だ、搭のすぐそばまで来ている、君に会いたいのだ、頼む、返事をしてほしい」
     (何度もくり返しバビルに呼びかける五十嵐をじっと見つめる正太郎と兵士たち)
 五十嵐  「バビル、見ての通り君の好きだった鉄人と金田正太郎君も同行してくれた、その努力に免じてどうか私と会ってくれ」
 正太郎  「通じているのかな?」
  兵士  「この距離ですから通じている筈です」

   声  『久しぶりですね、五十嵐さん』
 五十嵐  「おおバビル!五十嵐だ、答えてくれてありがとう」
 バビル  『よく搭の場所がわかりましたね』
 五十嵐  「うん、この国の軍用機がこの近くに墜落したことがきっかけとなったんだ」
 バビル  『そうですか、まあ知られてしまったものは仕方ないですね』
 五十嵐  「そういうことだ、今我々は10キロ手前で待機している、そっちへ行ってもいいかね?」
 バビル  『わかりました、いいでしょう』
 五十嵐  「ありがとう、では後ほど」(スイッチを切る)
 正太郎  「五十嵐さん、門前払いを食わないで済みましたね」
 五十嵐  「うん、うまくいったようだ、では出発しよう」
  兵士  「はっ」

2台のジープが動き出す、視界は良好である、ほどなく搭のシルエットが見えてきた、
 五十嵐  「あれだ!・・あれがバベルの塔だ」
 正太郎  「あれが・・・」
  兵士  「この見捨てられた土地にあんなものがあったなんて・・」

鉄人は搭の前方200メートルの地点に停止している、その場所に2台のジープが停まる、車を降りて恐る恐る搭へ近づいていく一行、すると搭の正面の門がゴゴゴッと重い音を響かせて開いた・・・

 五十嵐  「おお!門が開いたぞ」
 正太郎  「五十嵐さん、誰か出てきますよ」
   (一人の青年が姿を現した、まるで散歩でもするかのようにゆっくりとした歩調で近づいてくる)
 五十嵐  「バビル!・・バビル2世だ」
 正太郎  「あの男が・・」
  兵士  「あの男が目的の人物なのですか?」
 五十嵐  「そうだ」
  兵士  「聞いたイメージではもっと恐ろしい雰囲気の相手かと思ってましたが・・・」
 五十嵐  「フフ・・人は見かけによらんもんだよ」
    (その若者は正太郎たちの前まで来て止まる)
  若者  「日本国家保安局の五十嵐さんですね?」
 五十嵐  「五十嵐さんですねって・・ワシの顔を忘れたのか?」
  若者  「バビル様の使いで参りました」
 五十嵐  「何を言っとる?バビルは君ではないか」
  若者  「いいえ」(若者の姿が見る見る黒ヒョウに変わる)
 五十嵐  「おお!お前はロデムか!」
 正太郎  「うわっ!」
兵士たち  「うわわわっ!」(初めて目にするロデムに驚愕する正太郎と兵士たち)
 五十嵐  「ああ、みんな驚くのも無理はない、これはロデムといってバビルに仕えているしもべのひとつだ、このように何にでも姿を変えられる能力を持っている」
 正太郎  「すごいな・・」
  兵士  「じょ・・常識をはるかに超えた存在だとは聞いていましたが・・」
 五十嵐  「それは言えておるな」
 正太郎  「あとふたついるんでしょう?」
 五十嵐  「ああ、とんでもないのがな」
 ロデム  「五十嵐局長、バビル様は三年前からご自分の特殊な立場をお考えになり、その結果あなたを含め世界とは表立って関わりを持たぬことが賢明だという判断をされたのです」

 五十嵐  「そうだったのか・・」
 ロデム  「ずっとあなたのコンタクトの意志表示を無視し続けていました、こちらから応じるつもりはありませんでした、しかしこうして搭の所在地が判明してしまった以上、あなたがここまで出向いてこられるのはやむを得ないでしょう」

 五十嵐  「うむ、そうなのだ」
 ロデム  「それでもバビル様のお考えは変わっておりません」
 五十嵐  「では・・彼は会ってはくれんのかね?」
 ロデム  「そのつもりでしたがあのロボットを見てからバビル様の心が揺れ始めました」
 正太郎  「鉄人を?」
 ロデム  「バビル様にはことのほか思い入れの深いロボットのようですね、食い入るような目でご覧になっていました」
 五十嵐  「うむ、そうなのだ、まあ手土産というわけではないのだが手ぶらでやって来ても門前払いを食わされるのではないかとね・・」
 ロデム  「そこで会うかどうかひとつチャンスを与えようと仰いました」
 五十嵐  「チャンス?・・それは何かね?」
 ロデム  「戦う鉄人が見たいと・・」
 正太郎  「戦う?」
 ズズズズズ・・・・足元から地響きが伝わってくる、
 鉄人の前方50メートルの砂地が大きく盛り上がり巨大なロボットが姿を現した、

 五十嵐  「おお、ポセイドンだ!」
 正太郎  「あのロボットもしもべのひとつですか?」
 五十嵐  「うむ、ロデム、鉄人とポセイドンを戦わせようというのか?」
 ロデム  「はい、バビル様はこうも仰っています、無様な戦い方を見せられては会う気にはなれないと・・」
 五十嵐  「うむむむ・・」
 正太郎  「ならばあのポセイドンとかいうロボットを壊してしまってもいいんだな?」
 ロデム  「ポセイドンを壊す?・・フフ・・フフフフ・・」
 正太郎  「な、何がおかしい?」
 ロデム  「そんな心配をするより鉄人がスクラップにされないよう気をつけるんですね」
 正太郎  「何だと!」 (ゆっくりとポセイドンが鉄人に近づいていく)
 五十嵐  「と、とにかく金田君・・頼む、何とかしてくれ」
 正太郎  「じゃあこうなったら思い切りやらせてもらいますよ」
      (リモコンのスイッチを入れる、バンワオーッと鉄人が雄叫びを上げる)

 正太郎  「さあ鉄人、ブチかましてやれ!」(鉄人がポセイドンに突進する)  (つづく) 

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2006年07月29日 20:39に投稿されたエントリーのページです。

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