埼玉県上尾市の広報誌「あげお」2003年1月号(No.826)に、横山先生のアシスタントをしておられる岸本修氏のインタビュー記事が掲載されました。
許諾を頂きここに掲載させていただきます。
なお、誌面は縦書きの3段組ですが、ホームページの読みやすさを考慮して横書きに変更してあります。それ以外は誌面通りです。
 二十一世紀の今、レトロ(懐古)ブームの中で、昭和三十年代というのが、各地で当時の駅前商店街の再現や、駄菓子屋の復活などを通じて注目されています。また、昭和三十年代は漫画、とりわけ少年・少女漫画が大ブームとなり、数多くの雑誌・単行本が発行されました。当時を懐かしむ人も多いと思います。
 そのような中、少年雑誌に連載され、テレビ・ラジオでも放送された、当時の子どもたちが夢中になった「鉄人28号」の作者、横山光輝さんのアシスタントを30年以上にわたって務められた、市内在住の漫画家・岸本修さんを訪ねました。「史記」「三国志」など、多くの横山作品の中で人物画を担当され、また、ご自身の作品は昭和三十年代を中心に多数の少年雑誌に連載され、現在「少年旋風児」「闇の左近」などの復刻本が人気を呼んでいます。
「終戦直後、外地で日本への引揚船を待つ間、米軍のべースキャンプに収容されました。そこで戦車や戦闘機に描かれた漫画を見て、どんな時でも心にユーモアを忘れずにという、漫画の持つ力、心を癒してくれる力を実感したのが、漫画家を目指した私の原点です」と漫画に対する熱い思いを話してくれました。「昭和三十年代というのは、東京オリンピックを前にして、
貧しくはあったけれど、日本が一番輝いていた時代ではなかったかと思います。人々にも活気があり未来を信じられた時代でもありました」と振り返る岸本さん。
 当時の漫画と現在のいわゆる劇画との違いを伺うと、「正義や希望、努力の大切さなどを、読者である当時の子どもたちに説いたつもりです。まだまだ娯楽の少なかった時代、少しでも子どもたちに夢を与えられたらと頑張りました。劇画との違いもその点にあると思います。劇画は夢よりも現実をリアルに描き出します。読者も子どもではなく大人で、表現方法もより高度」とのことでした。現在は休筆中とのことですが、今後の一層のご活躍を期待します。