円高と円安

 経済に疎いぼくが、なぜこんなタイトルで書くのかと言えば、単に不思議だからに他ならない。
 そもそも、大学も人文学だし、経理に配属された新入社員の時は、1年で会社を辞めようとさえしていたのだった。
 
 さて、アベノミクスの金融緩和によって、数年前に突然円安が始まった。
 ぼくが個人的に覚えている一番高い円は、いわゆる固定相場制の頃の1$=360円だが、この頃から言えば今は破格の円高なので、そもそも円高、円安というのは、常に相対的であるのだということだ。そういう意味では、何年前か忘れたが、円安の動きが始まる直前の、最も円が高かったときは1$は80円を切っており、先週、1$=118円台までいったから、その頃から比べれば、40円近い円安ということになる。
 結果、物が高くなった。これだけは間違いなく円安の影響が一番大きいだろう。

 衆議院が解散となり、来月には総選挙が行われる。あ、この総選挙という言葉も紛らわしい。別に全国の必要な選挙が一気に行われるとか、参議院議員も一緒に選挙を行うわけでもないのに「総」選挙というからだ。総選挙というのは、あくまで衆議院銀を選出する選挙のことらしい。広辞苑を見ると、参議院議員の場合には通常選挙というらしい。また、市町村選挙の場合には一般選挙というのだそうだ(学研の国語辞典には「委員・議員などの全員を一時に選ぶ選挙」とあるので、AKBの場合にはこれに当たるわけだ)。きっと学校で習ったのだろうが、とっくに忘れた!
 一般的にいえば、今度の選挙はアベノミクスに対する信任とか評価が最も大きな、あるいはもう少し広げて安倍政権へのということになると言われているが、あれだけ期待をしてこけてしまった民主党政権の記憶もまだそう風化していない今、信任しないけど、他よりいいという理屈で与党が勝つのだろう。と、何となく思う。

 ただここで思うのだが、景気がよくなったと自民党は言うのだが、世間は実感していないとも言う。確かにぼくもまったく実感がないどころか、恐ろしいほどに物の値段は上がっている。これは決して消費税だけのせいではない。誰もがそれは分かっている。
 で、円安なのだが、為替というのは、通貨同士の強弱の問題なのだと思うが、単純に、1$のものが80円で買えるのと120円で買えるのでは、少なくとも買う側は、80円がいいし、売る側は120円がいいのは自明のことだ。だが、通貨の強さという意味では、80円の方が強いのではないか?
 なぜ、日本の通貨が強いいことが、そんなに敬遠され、弱くなると株価が上がるのだろう?
 もちろん、車を初めとする日本の産業の多くが、輸出で外貨を稼ぎ、80円よりも120円の方が、利益は大きいし、当然外国人は観光に来てもうれしいからたくさん来るようになる可能性が高いのだと思う。トヨタの利益は呆れるほどだし、その結果株で儲けたお金持ちもたくさんいるには違いない。

 だが、単純に考えてみれば、差益の40円で上げる利益は、逆に40円分の値上がりで輸入に跳ね返ってくるのではないか?
 だとすれば、野党が言うように、円安で儲けた人がいる分を、他の人が損するのは、まさに理屈通りのような気がする。
 つまり、円安で日本経済がよくなるという理屈が、ぼくにはわからないのだ。
 それは確かに、一部はよくなるだろう。だが同じだけどこかが煽りを食うことにはならないのだろうか?
 なんとなーく、所詮為替の変動なんてそんなものの様な気がして仕方が無い。
 
 日本が輸出産業に頼っている、というのは、だって所詮、どこの国も一緒でしょ?と思う。外貨を稼ぐには輸出するしかないわけで、それは別に日本に限ったことではない。アメリカだって中国だって、輸入より輸出を多くしたいに決まっている。
 まあ尤も、なんでも国内にあるので困らないというのであれば、生活自体は成り立つのだろうけど、でもだからと言って輸入過多では、どこかでひずみが来るんじゃないのかな?という気がする。

 むしろ円高でも儲かるくらいたくさん売るというのが望むべく最もいい方法な気がする。
 そうすれば当然、輸入品を安く仕入れ、加工して売るという、いわば日本のお国芸みたいなものに、一番合ってるような気がしてならない。
 それが理想論だとしても、円安に頼っても、結果的には物をたくさん売らなくてはバランスが取れないような気がして仕方が無い。
 同じ売るなら、円高での方が、僕は好きだな。・・・輸出とは縁もゆかりもない人生なので、輸入がお得な方がうれしいわけです。・・・海外旅行もね。

 あ、本当に経済の素人が言ってることなので、万が一読んだ方、嘆いたり怒ったりしないで下さいね。
 
 

2010年・消費者が選ぶ話題注目商品ベスト30

 電通総研から「2010年・消費者が選ぶ話題注目商品ベスト30」が昨日、発表された。
 以下がそのリストだ。

※( )内は昨年順位。(-)は未調査。
1位 スマートフォン(34位)
2位 Twitter(104位)
3位 食べるラー油(-)
4位 地デジ対応大画面薄型テレビ(7位)
5位 坂本龍馬(101位)
6位 羽田空港国際化(-)
7位 東京スカイツリー(-)
8位 エコポイント・エコ減税関連商品(5位)
9位 ワールドカップ南アフリカ大会(-)
10位 LED電球(15位)
11位 ご当地B級グルメ(-)
12位 池上彰(-)
13位 国内ファストファッション(3位)
14位 『ゲゲゲの女房』(-)
15位 3D映画・テレビ・カメラなど(60位)
16位 ハイブリッドカー(1位)
17位 海外ファストファッション(64位)
18位 AKB48(-)
19位 タブレット型情報端末(-)
20位 渡部陽一(戦場カメラマン)(-)
21位 ノンアルコールビールテイスト飲料(17位)
22位 高速道路ETC割引・一部無料化関連消費(6位)
23位 携帯音楽プレイヤー(-)
24位 円高還元(-)
25位 マイケル・ジャクソン(20位)
26位 ハイボール(45位)
27位 格安航空チケット(-)
28位 コンビニロールケーキ(-)
29位 アウトレットモール(25位)
30位 電気自動車(8位)

http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010115-1125.pdf

 1位のスマートフォンはiPhoneが牽引役だろうが、その後もたくさんの種類が発売になっている。19位にタブレット型の端末が入っているが、IT関連はさほど無い。
 12位に池上彰が入っている。週刊こどもニュースの時から見ていて、すごいなあ、と思う。最近はちょっと出過ぎの感さえあるが、誰よりも解りやすい。あ、週刊こどもニュースが打ちきりだそうだが、日曜の朝じゃ、誰も見ない。NHK何か勘違いしているぞ。いい番組だっただけに惜しい。
 と見ると、「坂本龍馬」「ゲゲゲの女房」と、NHK関連が多い。
 毎年この時期になると出るこういうランキングや流行語だが、ざっと見てもなぜかあまり世相がぴんと来ない。
 そういう世の中なのかなあ、と思ったり。

HMV

 HMVといえば、イギリスのレコード店で、かつてタワーレコードやヴァージンなどと共に、日本に80年代後半~90年代に相次いでメガCDショップをオープンした中の一つだ。私は元々、レコードの卸会社にいたので、これらのお店が新宿・渋谷にオープンした頃に、新宿のお店に勤めていた。80年代後半はCDがレコードを逆転した頃だ。
 
 もちろん自分のお店でも購入していたが、輸入盤に関しては、当時は丸井の地下にあったヴァージン・メガストアで買い物をしていた。今ではそのヴァージンも完全に閉鎖されている。残ったタワーとHMVも、閉店が相次いではいるが、まだ国内にたくさん店舗を持っている。そして、かつてはこれらの店は海外ショップの日本店だったが、どちらも今では日本法人だし、HMVは今回、ローソンが買収をするというニュースが今日発表された。実はこの前にTSUTAYAが買収をしようとしていたらしいが、断念したようだ(ヴァージンはTSUTAYAが買収したと思う)。
 レコードがCDに代わり、さらにiTunesに代表されるダウンロードサイトに変わっていく。こういった流れは80年代半ばに既に十分戦略的な話題として、当時いた会社でも話されていた。今後はどんどんこの流れが加速していくだろうことは想像に難くない。
 ネット時代になって、ダウンロードばかりではなく、CDやDVDもネットで購入した方が楽になった。上記の他にアマゾンやたくさんのショップがある。アマゾンは今でも外資なわけだが、これらのショップが他の多くのショップと違うのは、規模が大きいことと、輸入盤を扱っている点である(かつて外資だった意味がここにある)。
 そもそもCDショップがまだレコード店だった頃、輸入盤は渋谷や新宿西口を中心とした専門の輸入盤ショップが扱い、国内のショップは基本的に日本人の商品と、日本国内のレコードメーカーが販売する海外のアーティストの商品を販売していた。大手は直接レコード店から仕入れ、中小は書籍などと同様、卸業者から仕入れていた。今でもそうだろうが、多くの個人店は閉店して、かつての面影はない。
 そういった中で、完全にCDが消え失せるといった状況は、なかなか訪れないだろう。ダウンロードした音源はかなり制約を受け、下手をするとダウンロードした機器の紛失や損壊と共に、永遠に失われるかもしれないからだ。かつてHMVのダウンロードサイトから購入した音楽ファイルが、新しいパソコンでは聴けなくなっていた。再生しようとすると、既にライセンスの再発行は終了したというすげないメッセージ。こんなのは詐欺に近い。
 そんなことで、まだCDは売れると思うし、私も買っている。
 ロックのCDは国内盤よりも輸入盤の方が遙かに安いし(この仕組みについては、前の会社にいるときから不思議でならなかったが)、クラシックに至っては、ほとんど販売されていない。なので、タワーレコードやHMV、アマゾンといったサイトを比較して、安価なところで購入したいと思っているのだが、いかんせん、タワーレコードの検索は使い物にならない(少なくともクラシックに関しては)。HMVの優れたエンジンは、まだ工夫の余地はあるとしても、非常に使いやすく、検索結果も満足がいくものだ。なので利用は自ずとHMVの比率が高くなる。
 渋谷店や新宿高島屋、ルミネエストの店舗はつぶれたが、サイトは十分使える。
 だがこのHMV、人によっては非常に評判が悪く、比較サイトなどではサポートの悪さが大量に書かれていたりする。これまで個人的にいやな思いをしたことはないが、こういう書き込みを見ると、アマゾンやタワーに移行しようという気持ちが出てくる。
 HMVは、他に比べて機能的には良いサイトを持っていて、それは検索だけにとどまらない。であれば、サポートを充実させれば、あるいは他を圧倒できる可能性があると言うことだ。ローソンが買収することで、コンビニの顧客対策がHMVにも生きれば、優れたサイトができあがると言うことになろう。
 タワーはDoCoMoが半分近い株を持っているが、もっと機能的な支援が必要だろう。
 アマゾンは今の状況で儲かってるのなら、このままで問題はないはずだ。少なくとも機能とサポートに関しては。
 ダウンロードも色々頑張って、iTunesのシェアを是非減らして欲しいものだ。

サービスということの一つの本質

 カテゴリーに「経済・経営」としてあるが、そんな大仰なことが書けるわけではない。些細なことを書くのだが、枠としてはその中に収まる話なので、敢えて。
 さて、このところ、家で出前を取ることが増えた。出前といっても、昔とは違って、そば屋や寿司屋ではなく、ケータリングとは行かないが、デリバリーといった方が解りやすい、出前だ。
 私の実家などは、謂わばそういうサービスは、デリバリー専門の寿司屋が1軒とガストのサービスがあるくらいで、便利ではない。たまにそんな話をするので、自分がいま住んでいるところはいかに便利かということに、改めて気づく。
 最近の食事のデリバリーサービスは、和洋中と何でもあるし、ピザとかパスタばかりでなく、パエリアとか、なかなか普段は口にしないような種類も結構ある。宅配してくれることを考えると、味も含めリーズナブルだ。実際、色々試してみるが、ここは二度と頼みたくないというところもないではないが、概ね味は満足できる。
 ピザの宅配や寿司が主流だった頃に比べて、今はチラシが無くてもネットで注文ができる。この点もいい。
 ぐるなびや楽天、Yahoo!と大手はみんな手を出しているが、私は慣れていることもあってずっと出前館というサイトを利用している。
 サイト自体の使い勝手はどんどん良くなっているし、店も増えていて大変ありがたい。
 私は頼むときのだいたい一人なので、できるだけ少ない金額でも持ってきてくれる店がありがたいのだが、それも最近は大分少ない金額で持ってきてもらえる。ありがたいことだ。1,000円前後からの店が増えている。
 私がよく利用するのは「もも天」と「京香」という二つの弁当店、それに「チャイナクイック」「上海エクスプレス」といった中華、たまにピザやガストなども頼むが、どうしても無駄のないところが多くなる。
 さて今回の話は、前置きが長くなったが、これらのデリバーショップについてだ。
 2店の弁当屋や、チャイナクイックなどは1人前の弁当を一つ頼んでちょうど宅配料金になるメニューがあり、うまく注文できるので、意外に頻度は高い。だが、上海エクスプレスは、弁当の料金が1,000円のものと1,200円のものがあるのだが、宅配最低金額が1,250円なのだ。
 くだらないことのようだが、この結果、かつてはよく頼んでいた上海エクスプレスの注文ががくっと減った。
 想像するに、弁当一個で頼んでくれるな、という店側の無言の要請などだと思う。
 海外では日本的なサービスだったり店舗経営というのは不思議な習慣と感じる人も多いのだろうが、論理的であれ情緒的であれ、顧客がいなくては商売は成り立たない。究極をいえば、商売とは金銭と物品のギブアンドテイクということになるはずだが、スマイルはゼロ円に代表される、金銭的な価値とは違った部分での顧客への幸福感の提供というようなものが、いってみればギブアンドテイクをどこで手に入れるかの一つの指標ともなるのである。
 つまり、客に喜んでもらってナンボという考え方である。
 顧客志向(Customer Oriented)という考え方は、そうした視点に立脚する。そのサービスが他に二つと無い場合、こういう考え方はなくても商売はある意味成り立つ。それが必需品であればあるほど、店は横柄に構えていても、商売としては問題ない。だが、そんな状況というのは、現代においてはあり得ないし、あったとしても、すぐにその状況は変わる。
 であれば、言葉だけではなく、日頃から客に感謝を向ける心の持ちようというのが、実はあらゆる点で顧客志向を実現していく最短の方法であると、私は思っている。
 そういう視点に立って考えると、上海エクスプレスは少なくともこの50円を下げて、1,200円からの宅配を実現すべきなのだ。その方が儲かると私は思う。もちろん、味に自信があって、そんな金額はものともせず、みんな注文してくれるという自信が、経営方針の柱になっているのなら、それはそれでいいのだが、逆に言えば、この50円で1,200円ちょうどの宅配が増え、そのことで赤字になって立ちゆかなくなるのだとしたら、この50円では救えないだろう。この50円を付けている意味というのは、明らかに企業サイドの事情であるし、非常に作為的な設定に思える(全くそういう意味がないとすれば、それはそれで、少し戦略が欲しいところだが)。
 サービスの本質というのは、実はそういう些細なところにあって、意外に気づかないものではないだろうか。
 客がどう思い、どうした行動で自社あるいは自分のお店を利用してくれるのか、といったところは、そもそも、単純に論理的な部分から導くよりも、客に喜んでもらおうと考える、その道すがら見えてくるもののように思える。私は上海の社員だったら、この50円がなければ、もっとこの弁当単品を頼む人が増えるんじゃないですか?と上司に進言していると思う。そして、実際にそういう社員がいるに違いないと思うのだが?
 今時、こんなことは当たり前、みたいなことを書いたが、だが、それほど当たり前じゃないので、世の中不満があるわけで、また、顧客志向ばかりが言い訳じゃないという、当然そういう意見もあるはずだから、こういう文章も、決して無駄にはならないと思う次第。
 もちろん上海エクスプレスには、私などには見えない、諸般の事情があるとしても、そんなことは考慮しないで書いているので「あしからず」ということだ。