由比敬介のブログ
北海道2
北海道2

北海道2

 今まで北海道に行って、主要都市以外で、2度訪れたのは霧多布と、納沙布くらいだろうか。札幌や旭川、釧路、網走、函館、稚内といった都市は、取り敢えず他へ行くためのキーステーションだったり、そこ自体に多くの観光地を持っているので当然、何回も行っているが、霧多布岬はなぜか好きなのだ。どちらかというと納沙布はそのついでだ。
 霧多布岬は、オンシーズンに行かないと、何もない。灯台があるだけだ。釧路から釧網線で浜中へ。浜中からのバスはほとんど本数がないのでよっぽど時間をうまく合わせていかないと難しい(今はどうなのか知らないが)。以前行った時には浜中から駅へ向かうバスを待つため、浜中市内のレストランで2時間以上待った記憶がある。
 浜中の市内から岬までは約3キロ、片道1時間もぷらぷら歩くと着く。途中も何もない。浜中から岬までは半島になっているので、歩く道すがらはずっと海が見えていたように思う。何とものんびりしてていい。道路はしっかり舗装されているので、車ならホントはすごく楽だし、現実的には釧路からずっと車の方が一般的だ。車で行くなら、下記で有名な厚岸から厚岸湖を回って海沿いに浜中まで行くのがいい。
 当然バスも走っているが、夏場でも1日多くても3本くらいだ。もっと少なかったかな?サイクリングだったら、天気さえ良ければ楽しい気がするが。
 時間とお金があれば、サイクリングで北海道を回るのもいいな。無理をしないでのんびりと。
 霧多布は本当は湯沸岬というらしいが(ゆわかしじゃない)、何で霧多布岬というのか、正確なところは覚えていないが、どう見てもアイヌ語が語源だ。付近にはいいホテルやペンションなどもあるのだが、旅程の関係で泊まったことがない。次の日のことを考えると、釧路まで戻った方が楽だからだ。
 そういえばその、2時間待った時の浜中から釧路へ行く列車を待っている時、駅には私と、小さな女の子を連れた女性だけだったのだが、時間になっても列車が来なかった。
 釧網線は単線で、1日数本しか走っていないところだ。辺りはとうに暗くなり、しかも非常に寒かった。晩秋と言うより、雪こそ降っていなかったが、北海道は既に間違いなく冬だった。そのお母さんが娘に、「おかしいわね、今日は来ないのかしら」と話しているのを聞いて、「えっ、そんなこともあるんですか?」と聞き返して笑われた。
 さすがに日本ではそんなことはない。
 しかしそれが本当に思えるほど寂しいところなのも事実だ。
 だがそれでも、また行きたい。
 バスで走る風景は納沙布岬の方がそれらしくていい。のどかというより、寒々としている。それがまた最果てを訪れているという感覚になる。しかし、人もなく、土産物店も閉まっている霧多布岬は、太平洋からの風を受けながら、何かこころ落ち着く雰囲気を持っているのだ。

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