由比敬介のブログ
ファルージャ
ファルージャ

ファルージャ

 米国によるファルージャへの攻撃が激しい。
 サマワは非戦闘地域と言って行っている自衛隊と同じ国の中で、1000人もの人がたとえ武装勢力とはいえ、戦争で殺害されている。小泉首相を始め政府のこの問題に対する言い訳を聞いていると、子供が悪いことをして叱られても、あれこれ言い訳をして逃れようとしているのに似て潔くない。
 政治的な問題として、自衛隊がイラクに行って国際貢献することがいいのか悪いのかという問題は、実は私自身の中では明確ではない。ただ、自衛隊を送るために法律を作ったり、という作業は、実は個々の政治団体への献金の上限を設けて、政治団体自体の数は制限していないというような、結果ありきの嘘で世界も日本も動いていることの一例にしか見えない。
 同様なことはこのファルージャへの攻撃にもあり、すごく解りづらい。
 ザルカウィや、ビン・ラディンが行っているテロリズムがいいことでないのは、ほとんどの人が認めることだろう。だが、アメリカの正義が本当に正義だとしたら、この世は闇だ。
 あたかも大航海時代、列強がアフリカやアジア、新大陸へと勢力を伸ばしていたのと、根っこは同じだ。人がどこに住もうと、住んだところを発展させようと、それは自由だ。しかし元々そこに住んでいる人がいて、そこにはそこの流儀があるとすれば、黒船を接岸させて開国を迫るのは、ある意味余計なお世話だ。
 アメリカが今回やった一連のことは、9.11の同時爆破テロに対する、復讐以外の何物でもない。大量破壊兵器を地球上のどの国よりも大量に所持している国が、その力にものを言わせて、自らの正義という御旗で、侵略をしているのと、少なくとも今は変わらない。今になって撤退したら、それこそ無責任かも知れないが、そうなる前にこのような状態にしてしまった原因がどこかにあるはずだ。
 独裁は忌むべきもので、それは北朝鮮であろうと、イラクであろうと、良くはない。だが、防衛のための先制攻撃などと言う、文章としてさえ破綻してそうな行為が正当化されるのは、独裁国家とそれほど違うだろうか?
 それらの行為を見ても、アメリカ国民は今回ブッシュを支持した。
 仮に私がイラクやパレスチナや、あの辺りの生まれで、なおかつユダヤ教徒かイスラム教徒で、周りに原理主義の大人がたくさんいて、あまりいい暮らしもできていなくて、そんな生活を続けていたら、テロリストになっていなかったという保障はない。
 それはユダヤ教やイスラム教がもたらす人間形成ではない。救いをそこにしか求められない人生がそれを為すのだ。そしてそこへアメリカやヨーロッパの列強による利権が絡み、複雑な政治状況の中で、アメリカを憎み、反旗を翻す。
 戦うことにしか、未来を見いだせない1000人近い人間が、爆撃によって死んでいる。私にはそう見える。
 ブッシュも小泉も、命じる人間は戦地にはいない。
 何がどうなれば、世界から個人に到る様々なレベルで平和が訪れるのだろう。人類が歴史をつづり始めてから数千年、人類は学ばない。

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