由比敬介のブログ
HMV
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HMV

HMVといえば、イギリスのレコード店で、かつてタワーレコードやヴァージンなどと共に、日本に80年代後半~90年代に相次いでメガCDショップをオープンした中の一つだ。私は元々、レコードの卸会社にいたので、これらのお店が新宿・渋谷にオープンした頃に、新宿のお店に勤めていた。80年代後半はCDがレコードを逆転した頃だ。

もちろん自分のお店でも購入していたが、輸入盤に関しては、当時は丸井の地下にあったヴァージン・メガストアで買い物をしていた。今ではそのヴァージンも完全に閉鎖されている。残ったタワーとHMVも、閉店が相次いではいるが、まだ国内にたくさん店舗を持っている。そして、かつてはこれらの店は海外ショップの日本店だったが、どちらも今では日本法人だし、HMVは今回、ローソンが買収をするというニュースが今日発表された。実はこの前にTSUTAYAが買収をしようとしていたらしいが、断念したようだ(ヴァージンはTSUTAYAが買収したと思う)。
レコードがCDに代わり、さらにiTunesに代表されるダウンロードサイトに変わっていく。こういった流れは80年代半ばに既に十分戦略的な話題として、当時いた会社でも話されていた。今後はどんどんこの流れが加速していくだろうことは想像に難くない。
ネット時代になって、ダウンロードばかりではなく、CDやDVDもネットで購入した方が楽になった。上記の他にアマゾンやたくさんのショップがある。アマゾンは今でも外資なわけだが、これらのショップが他の多くのショップと違うのは、規模が大きいことと、輸入盤を扱っている点である(かつて外資だった意味がここにある)。
そもそもCDショップがまだレコード店だった頃、輸入盤は渋谷や新宿西口を中心とした専門の輸入盤ショップが扱い、国内のショップは基本的に日本人の商品と、日本国内のレコードメーカーが販売する海外のアーティストの商品を販売していた。大手は直接レコード店から仕入れ、中小は書籍などと同様、卸業者から仕入れていた。今でもそうだろうが、多くの個人店は閉店して、かつての面影はない。
そういった中で、完全にCDが消え失せるといった状況は、なかなか訪れないだろう。ダウンロードした音源はかなり制約を受け、下手をするとダウンロードした機器の紛失や損壊と共に、永遠に失われるかもしれないからだ。かつてHMVのダウンロードサイトから購入した音楽ファイルが、新しいパソコンでは聴けなくなっていた。再生しようとすると、既にライセンスの再発行は終了したというすげないメッセージ。こんなのは詐欺に近い。
そんなことで、まだCDは売れると思うし、私も買っている。
ロックのCDは国内盤よりも輸入盤の方が遙かに安いし(この仕組みについては、前の会社にいるときから不思議でならなかったが)、クラシックに至っては、ほとんど販売されていない。なので、タワーレコードやHMV、アマゾンといったサイトを比較して、安価なところで購入したいと思っているのだが、いかんせん、タワーレコードの検索は使い物にならない(少なくともクラシックに関しては)。HMVの優れたエンジンは、まだ工夫の余地はあるとしても、非常に使いやすく、検索結果も満足がいくものだ。なので利用は自ずとHMVの比率が高くなる。
渋谷店や新宿高島屋、ルミネエストの店舗はつぶれたが、サイトは十分使える。
だがこのHMV、人によっては非常に評判が悪く、比較サイトなどではサポートの悪さが大量に書かれていたりする。これまで個人的にいやな思いをしたことはないが、こういう書き込みを見ると、アマゾンやタワーに移行しようという気持ちが出てくる。
HMVは、他に比べて機能的には良いサイトを持っていて、それは検索だけにとどまらない。であれば、サポートを充実させれば、あるいは他を圧倒できる可能性があると言うことだ。ローソンが買収することで、コンビニの顧客対策がHMVにも生きれば、優れたサイトができあがると言うことになろう。
タワーはDoCoMoが半分近い株を持っているが、もっと機能的な支援が必要だろう。
アマゾンは今の状況で儲かってるのなら、このままで問題はないはずだ。少なくとも機能とサポートに関しては。
ダウンロードも色々頑張って、iTunesのシェアを是非減らして欲しいものだ。

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