「地球が静止する日」を観た。といって、このタイミングなので、決して「ジャイアントロボ」じゃない。キアヌ・リーヴスの方だ。
 まあ、こういうテーマの映画ができれば、ほとんど観る。ただし映画館では観ないが。DVDだ。
 たぶん、地球温暖化とか、そういう環境問題への啓発的な意味もある駄作だ。
 圧倒的な科学力を持つ宇宙人が人類を破滅させるためにやって来るという、これまでSFでは、いったい何人の作家が書いているのだろうというシチュエーションを題材にしている時点で、相当にハードルを上げているわけだが、案に相違せず、ハードルを倒しまくっていた。
 圧倒的な迫力という意味では、「インディペンデンスデイ」の宇宙船の方が遙かに勝っているし(とはいえこの映画も最初に観たときには「幼年期の終わり」かな?と思ったくらいだが、「未知との遭遇」とか、「2001年」のモノリスをたどるまでもなく、人類より優れた文明の到来というのは,それほど多くのパターンで描けるわけではない)
 
 この時点でネタバレ的に見えるが、そもそも、映画の予告編を見れば、この辺りまでは解る。
 いや、たぶん、結末も最初に見える。見えないのは、何が原因で地球は危地を脱するのか、という点で、もはやこの件は、あほらしすぎる。
 あほらしいと言えば、アメリカの国務長官と大統領の、もっと言えばアメリカ軍の反応が、これほどステレオタイプに描かれなくてもいいのではないかという点だ。
 こういう映画は、予定調和でも仕方がない。ある程度は我慢する。
 だが、この脚本は、全く人物が描かれていないし、描き方も平板だ。
 
 冒頭でジャイアントロボと書いたが、「地球が静止する日」というアニメは、横山光輝の「ジャイアントロボ」を元に、横山光輝が生み出した多くのキャラクターを縦横無尽に配置したアニメで、文字通り地球というか、文明の動きを静止させることを目的としたBF団と国際警察機構の戦いを描いた作品だ。
 今回の「地球が静止する日」は「The Day the Earth Stood Still」の邦訳だが、原題も含めて、何かピントがずれているような感じを受ける。確かにそうなのだが・・・・みたいな。
 同様に、横山作品に「マーズ」というSFがあるが、これも危険な人類を宇宙から抹殺しようとする宇宙人の話だ。確かに、地球を滅ぼす宇宙人と、地球を守るために人類を滅ぼそうとする宇宙人という差こそあれ、今回の映画制作者に、この作品を読ませてやりたい。
「インディペンデンスデイ」くらい、アメリカ万歳みたいな映画なら(これは「アルマゲドン」も同じだが)それは娯楽として楽しめばいいので、痛快であるという時点で成功している。
 だが、この啓蒙的な臭いがぷんぷんしながら、その実、どこよりも優れた兵器を持つ生物が、宇宙の平和を守っているという、本末転倒な何かが、ここにはある。クラークの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。、

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です