由比敬介のブログ
ヴァージン・ウォーズ
ヴァージン・ウォーズ

ヴァージン・ウォーズ

 これはDVDについてで、完全ネタバレなので、万が一これから見ようかなどと考えている方は、お気をつけを。
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 標題のようなDVDを観た。レンタルで。・・・レンタルで良かった。
 現代は「MISTRESS OF SOULS」・・・このMistressが誰を指すのかにもよるが、魂の女王様とでも訳すべきなのか、いずれにしてもVirgin Warsというタイトルのような戦争物ではない。
 一般的にはやはり、ひどい映画と言うことになると思うが、ひどいにしてもすごい。あまりこの手の映画を観ないので、たまたま観たこれが特殊なのか、一般的なのか判らないうちのカルチャーショックだったのだ。
 一応あらすじ

石油戦争から7年後。世界は無政府状態に陥り、犯罪が横行していた。アルテミーシャは、戦争中に研究者である父を軍に殺され、その後、奴隷となった。しかし彼女は切り札を隠し持っていた。それは、彼女の父が残した一冊の本であった。その本には、石油の代わりにエネルギーとなる水素を水から抽出する製法が記されていた。戦後、石油危機となった世界で、その価値は計り知れないものであった。だが、囚われの身である彼女は、昼は労働に従事させられ、そして夜は女看守たちの性の相手をさせられ本の隠し場所を追及されていた。自らの気持ちとは裏腹に、体験した事のないとめどない快楽に溺れながらも、彼女は自由を求め脱出の機会を窺っていた。そして彼女はついに牢屋の鍵を手に入れる。果たして、その先に待つ運命とは・・・。
アルバトロス・フィルム

 水から水素を取り出すという、小学校の電気分解の実験のような大発見がまずすごいが、この作品を出しているアルバトロス・フィルムのホームページを見れば解るとおり、この作品は「エッチな」作品だ。AVではないし、R指定でもないが、全編9割以上が女性の裸で満載だ。
 確かにあまりやらしくはないが、一応女性同士の絡みもあるので、一般的に言えば、どこかのR指定が正しいのではないかと思う。
 尤も、今日書きたいのはそんな裸が云々とか、そんなことではなく、ストーリーのことだ。
 上記のあらすじを読めば解るが、当然、主人公は苦境にあり、牢屋の鍵を手に入れた。父親を殺した側のトップはこれも女性なのだが、このアルテミーシャという主人公ばかりでなく、多くの女性を奴隷にしている。女性に革の拘束具を付け、馬の変わりに車を引かせたりもしている。まあ、いわゆる悪い奴なのだ。
 この悪い親分が、アルテミーシャから本の情報を聞き出そうと、スパイを使う。このスパイの女性は、姉を捕らえられていて、姉を助けて二人を自由にする代わりに、スパイをしろということだ。このスパイは本の在処を聞き出すことはできなかったものの、合い鍵の一件はしっかり伝える。
 だが、しっかりスパイをした割には、姉と共に、新しい馬車馬にさせられてしまうのだ。ああ、かわいそう。
 そしてこの悪の親分は、しっかりアルテミーシャの合い鍵も確認しながら「バカな女」といって、そのまま合い鍵を元の場所に置いておく。
 合い鍵の件を知られてしまったアルテミーシャだが、脱出を試みる。
 さてここからが、言わば、悪者とアルテミーシャの駆け引きになるはずだ。いかにしてアルテミーシャはそこから抜け出し、悪と対決するのか、・・・・と思っているうちに、アルテミーシャは、本を地面から掘り起こした瞬間に、悪者の側の兵士に捕らえられてしまう。「バカな女」先ほどの親分の言葉だけが画面に流れる。
 そしてエンドロール!
 おい、ここで終わりか!
 天網恢々疎にして漏らさず・・・漏らしっぱなしかよ!
 結局悪者が勝ったのだった、ちゃんちゃん。
 彼女は抵抗らしい抵抗をしていない。逃げようとして失敗した。それだけの話だ。
 この脚本で、たとえそれがエロビデオでも、作ろうとした監督は偉い。
 ある意味これはどんでん返しだ。
 何だか解らないが、つい他のアルバトロス作品も観たくなる。
 怖いもの見たさだ。
 いやあ、すごい。絶句。

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