由比敬介のブログ
星を見る楽しみ
星を見る楽しみ

星を見る楽しみ

 今日は雨が降っています。明日も雨だそうです。
 雨が降ると星は見えません。
 小学生の頃、どうして星や宇宙があんなに好きになったのか解りません。
 当時、必修クラブというのがあって(今もあるんですかね?)、私は天文気象(科学)クラブみたいなところに参加していた記憶があります。中で班に分かれたのですが、天文をやるか気象をやるかという選択で、天文を選んだのが私一人でした。しょうがないから気象をやったのではなく、天文を一人でやっていました。図鑑や本を読んでいただけだったような気がします。何せ、授業の時間だけですから。・・・太陽には思いが至らなかったのかも知れません。
 別にいじめられていたわけでもなく、本当に天文をやりたいのが自分だけだったはずです。それほどまでに天文に見せられていたのはどうしてなのか、覚えていません。
 空を見上げると、一面の星空。刷毛で引いたような天の川。そんな風景は私の記憶の中では2回だけです。一度は、小学校の夏休み、盆踊りの会場へ向かう坂の途中。そしてもう一回は大学のサークルでの合宿の時、湖の畔で見上げた空。私の天の川の記憶はこの2回だけなのです。
 もちろん、天体望遠鏡を使って観たりしたことはあります。しかし、本当に川のように流れる銀河を観たのはその2回だけなのです。
 昔から、この世で一番美しいものはという質問には「星」と答えようと思っているのですか、実はその質問自体を受けたことがありません。多感な時代、人類は自然に害なす悪だと思っていたことがありました。ですから、人の作った夜景などは嘘の美しさで、人の手が及ばぬ星の光こそが、この世で最も美しい物と思っていました。
 私は天文学を志そうと考えたこともありましたが、宇宙飛行士や、研究者という感覚よりも、星を見る人=天文学者という構図であこがれていたような気がします。高校生の頃、寒い夜に一人、望遠鏡の接眼レンズに目を押し当てて、長時間野外で星を見ていた頃がとても懐かしく、老後の過ごし方としては最高だ!などと今は思っています。
 宇宙は確かに神秘的だし、天体物理学、あるいは物理学だけでもSFチックで、興味をそそります。子供の頃のように、無心に星を見上げる気持ちは大分変化していますが、それでも、夜長を星を見ながら過ごすというのは、この上もなく贅沢な余暇の過ごし方のような気がします。
 目も悪いし、東京に住んでいると、星はまばらであまり見上げる気も失せてしまいます。寂しいことです。
 星を見る楽しみっていったい何なのだろう?と考えたこともありますが、人は絵を見て楽しむし、風景を見て楽しみます。こころを和ませるとかいう、単純な理由だけではなく、言葉に言い表せない何かがそこにはあるのです。
 星を見る楽しみを満喫する。何か人生の中で遠ざかっていた気持ちにふと気づいて、仕事でも落ち着いたら、そうしたいなと思います。
 美しいという言葉が表す物や現象は、いったい何なのか、ゆっくり考えてみたい気持ちです。

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