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2007年7月 3日

久間大臣の辞任

 下に引用した発言に絡み、久間元防衛大臣が辞任した。
 世間の反応はそれこそ「しょうがない」なのだが、それより気になるのは、本人がやめる理由だ。久間氏は、表面上は自ら辞めたことになっていて、安倍総理に辞めさせられたわけではない。
 ところが、辞めたときの彼の発言は、自らの失言(本音であれそうでなくとも、防衛大臣が言うべき発言ではないのは明らかだが)を悔いたわけでも、長崎市長などには申し訳ないといいながら、その実全く申し訳なく思ってなどおらず、「参議院選挙」に影響するから辞めるというものだった。

 以前、久間氏の別の失言問題の時に、議員の誰かが、久間氏を評して、非常に頭のいい人だということを言っていたのを記憶している。勉強はできるのかも知れないが、とうてい頭のいい人物とは思えない。

 ことの問題は、私的に彼がどういう思想を持っているのかということではない。
 戦争は勝者と敗者が概ねいる。60年前の戦争は、日本が敗者だったし、連合国が勝者だった。
 結果的にソ連が進行しなかった歴史的事実と、原爆の投下による終戦を結びつけることは、理論的には無理はない。また、アメリカが原爆を使用したことを「しょうがない」と考える考え方も、理屈としてはあり得る考え方だ。
 しかし、被爆国に住む日本人が、そのことを「しょうがない」といってしまって、まして、国の中枢にいる人間がそういってしまうことは、原爆によって死んだ人たちを、自分たちの単なるスケープゴートにしてしまう行為だ。
 彼らを殺すことで、残りの日本人が助かったのだから、宜なるかなとは、研究者の言葉であって、防衛大臣の言葉ではない。九州の方言だみたいな逃げ口上は、いかにも政治家臭くて、間が抜けてる。

 いずれにせよ、彼は辞めたわけだが、それも参議院選挙で自民党が負けないためだ。こういう行為があると、是が非でも負けさせてやりたいと思うのは、必ずしも感情的な意味ばかりではない。彼らが、選挙を目的に行動しているということだ。

 選挙目的は悪いばかりではもちろんない。いい政治を行えば、選挙で票を集めることができるからだ。しかし、付け焼き刃や、選挙で負けないためだけの行動というのは、例えば今度の久間氏の辞任であったり、会期を延長してまで、あたかも国民全てが望んでいる法律であるかのようにして法律を通すやり方であり、そうでないかもしれなくても、久間氏の後任に小池百合子を据えるやり方である。

 自殺した松岡氏も久間氏も、きっと人間的にはいい人なのだろう。でも政治家としてはまた別だ。
 何とか還元水と、事務所費の話は一体どこへ行ってしまったのだろう?

【久間氏の発言要旨】

 日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。

 幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする方法もないわけですから、私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、しょうがないな、という風に思っている。

 米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使う必要があったのか、という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態などからいくと、そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも我々は十分、頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。

投稿者 keisuke : 2007年7月 3日 22:04

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